研いでもらった包丁が、小気味よく切れる。
今日のみそ汁の、大根の千六本がいつになく細く切れた。
前にアリさんに送ってもらったペッパーミルが、サクサク。
同じ粒胡椒でも、香りの立ち方が違う。
姉から来年の日めくりカレンダー「ねこめくり」が届いた。
例年の恒例。これがくると、暮れの気分がもりあがる。
品物が好きだ。
とくに、もらい物が好きだ。
使いながら、贈ってくれた人をのことを想う。
守られている気がする。
小指には、以前、モグがくれた小さな猫型のファッションリング。
高価でなくていいんだ。くれる気持ちが嬉しいのだ。
本棚に並んだ本の前に、ちょこんとフクロウの置物。
「いつも にこにこ 福ろう」の文字。
どれも、みんな嬉しい。
「マグカップ、多すぎだ」とGサンがいう。
「同じコーヒー、どれで飲んでも同じだろう。ひとつでいいだろう?」
うーん。だけど・・・・・
あれは、西の友だちが贈ってくれた猫の。色違いのオソロなんだって。
これは、モグが春に買ってくれたスタバの桜模様の細長いの。
これは、お気に入りの黄色いキリンの。
それは、アリさんが「こういう可愛いのつかいなさいよ」と買ってくれた豚の丸いの。
あっちのミドリの薄いのは、紅茶を飲むのに口当たりがいいの。
「気分によって使い分けるの。それぞれ、使うたびにくれた人のことを想うの」と、わたし。
「いちいち、そういうことを思うのって、鬱陶しくて面倒じゃないか」と、Gサン。
ううん、ぜんぜん。
使うたびに、下さった方のパワーをもらう感じがするの。お守りみたいに。
例えば・・・
「おはよう」と声をかけても返事がなかった時なんて、へこむけど
朝の目玉焼きに、手触りのいい、さくさく挽けるペッパーミルを使うと、いい気分になるもん。
>「いちいち、そういうことを思うのって、鬱陶しくて面倒じゃないか」
これって価値観の相違かな。
プレゼントあげても黙って受け取って、その辺に置きっぱなしだもんな。