長い独り言を物語るバーサン

11月30日の日記に「バーサンそうボケもせず」って書いたけど、訂正。
声高に、元気におしゃべりしているから、気が付かなかった。
バーサン、会話が成り立たなくなっている!
しゃべっているのは、独り言。ながーい、30分も1時間もつづく独り言。

例えば食事の時など、テレビの画面にちらりと映った、自分が興味あるものの話を
ずらずらつづける。口に物をいれたまま、噛むことも忘れて、しゃべり続ける。
ほっぺの横に置き去りにされた食べ物は、噛まれず、ずっとそのまま。
「かみかみ、ごっくん、しようね」と話しかけても、バーサンはしゃべり続ける。

Gサンがたまたま点けたのが、古い007だった。それも途中から。
ショーンコネリーのスリルあふれる画面を見て、バーサン「痛そう」
顔をしかめ、肩をすぼめ、身を震わして「痛そう」
「痛いの?」と聞くと「わたしは痛くないけど、痛そう」と身をすくめる。
それから延々30分、1時間、怖かった話、痛かった話がつづいた。

今日は、猫の食べ物の話からだった。
夕方、起しに行くと、「猫が牛肉を食べたがっている」とバーサンが言う。
「うちの猫は、もう餌をもらって、ほら、そこに寝ているでしょ」とわたし。
「じゃあ、別の猫だ。ほしがっているから、ちょこっとかけてあげな」とバーサン。
「猫がおなかをすかして、ほしいよ、食べたいよ、と言っているから、
餌に牛肉をかけて、あげな」
食事の席に移っても、この話を30分くらい続けている。
テレビはつけなかったのだけれど、猫と食事のはなしが続く。
「食べないとお腹が空くでしょ、たべましょう」とバーサン。
口ではそう言っていても、箸はうごかず、口の中の食べ物もそのまま…。

「はい、食ったものしか身に付かない、んでしょ」と匙でおかずを口にはこぶわたし。
「食べないと、こーんなに痩せて、お腹が空くでしょう」とバーサン。
バーサンの話は、それから戦時中の物の無い時代に入ったらしく、
その話が延々つづく。
「だれだったかね、フランス人に(ン?フランス人?)
『もっとたべなさい』って言われたの、だれだったかねえ。
かわいそうだったねえ、かわいそうだったね。ご飯が無くて。
でもこの町にはまだ食べるものがあったのに……」
バーサンは、ひとりで、ものがたりをはなしてる。
そのうちに、掛け合いがはじまる。一人二役で会話をするのだ。

「会話が成立しなくて、ひとりで物語っているの。大きな元気な声で」と
今朝来てくれた、訪問介護のかたに話したら
「環境のせいですね、施設だと大きな声になってしまうの」と。

午後来てくれた、訪問マッサージのひとに話したら
「ショートにいたときにお伺いしたときも、こんな感じでしたよ。
一人部屋で寝ていたら会話がないものね。ひとりでおしゃべりするのね」と。

ただ、独りでおしゃべりするだけでなく、こちらから話しかけても、通じなくなってきている。
話しかけても、意味が通じないのだ。
移乗のとき(肩にすがってもらう)だけでなく、食事時も、着替えの時も、
会話がないとたいへん。これから、せいぜい話しかけることによって、すこしは改善されるかな。
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by hidaneko | 2006-12-06 02:24 | かいご | Trackback | Comments(0)
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