映画「万引き家族」を観て来た

前評判も良かったし、カンヌ映画祭のパルムドール受賞というし
公開と同時に観に行った友達から「良かったよ」とメールもらったし
うずうずしてて、上映時間など調べて、思い切って朝一番ので行ってきた。

分厚い、と思った。
重厚とか、そういうのと違うけど
薄っぺらの反対。

安藤サクラの泣くシーンがすごかった、と聞いてたので、
どこで、どういう状況で泣くのかな、とか思ったり

血の繋がりではなく……とも聞いていたので、
どういう家族なんだろう、と思ったり

だけど、それらの、斜め上をいく凄さだった。

公式サイトにも「盗んだのは、絆でした」とあるけど
この映画を見て私が感じたのは「人と人との繋がり、思いやり」だった。
近ごろ、言葉が以前の意味より薄べったく意味が希薄になってるのもあり
「絆」とか「思いやり」とか使っちゃうと
かえって、この映画の良さが伝えられないと思うが……。

都会の高いビルの隙間に建つ古く汚い民家で
万引きしたり、年寄りの年金をあてにしたり
真っ当とは思えない仕事をしてる人々が「家族」として暮らしている。
時には喧嘩もして、本音でぶつかり合い、
だけど、その人びとの寄り集まりが暖かくて、心にズンと来る。


ってういか〜
あの人たち、どういう関係なのだ?
(脳内ぐちゃぐちゃ、もう一度見て整理したい)
うちの家族、血は繋がっているけど
言いたいことをよう言わん、家族と言えるのか?と思ったりして。





予告編にあるけど
「拾ったんです、捨てた人ってのは他にいるんじゃないんですか」
この言葉の通りだと思った。

家族に捨てられた人たちが肩寄せ合って、家族してる。

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是枝裕和監督のことば

「初めて来た時は30代だったのに、いつの間にか50代になりました。カンヌに来るたびに今でもワクワクします」

第71回カンヌ映画祭が中盤に差し掛かった15日(現地時間)、現地のホテルで会った是枝裕和監督(56)の言葉だ。2001年映画『DISTANCE』でカンヌを初めて訪れた次世代監督はいつのまにか日本を代表する巨匠になった。パルム・ドール賞候補であるカンヌ映画祭コンペティション部門への正式出品は今回だけで5度目になる。

新作『万引き家族』は、この日まで公開されたコンペティション部門11本(全体21本)の中で最高の評価を受けている。英字メディア「Screen Daily(スクリーンデイリー)」の星取表(jury grid)では平均3.2点(4点満点)をつけ、フランスのジャン・リュック・ゴダール(3点)や中国のジャ・ジャンクー(2.9点)らを抜いている。また、別のメディア「Variety(バラエティー)」は「さらに成熟し、心を盗む家族映画復帰作」と好評した。公式上映では8分余りのスタンディングオベーションとともに涙を拭う観客も多く見られた。

映画は、初枝(樹木希林扮)の年金と万引きで生計を立てている家族が、寒さに震えていた幼い少女(佐々木みゆ扮)を家に連れてきたことから始まる物語を描いている。今にも崩れそうな狭い家で築いた仲睦まじい彼らの日常に突然の危機が襲う。是枝監督は、5年前のカンヌ国際映画祭審査員賞作『そして父になる』(2013年)で投げかけた問いをもう一度取り上げた。家族を家族たらしめているのは血か、一緒に送った時間か--。ここに共同体が崩壊した日本社会の現実を重ねた。

--物語の着眼となった契機は。

「数年前に、日本では亡くなった親の年金を受け取るために死亡届を出さない詐欺事件が社会的に大きな怒りを買った。はるかに深刻な犯罪も多いのに、人々はなぜこのような軽犯罪にそこまで怒ったのか、深く考えることになった」

--血の混ざらない家族について描いている。

「日本では今も家族は『血縁』というイメージが固定化されている。特に、2011年大地震以降、このような家族の絆を大げさに強調する雰囲気について疑問を感じていた。国際的な状況もある。カンヌで会った多くの人々が、私に『私は里子なんだ』『私には養子がいる』と打ち明ける」

--主人公は社会のセーフティネットから疎外されている。

「日本は経済不況で階層間の両極化が進んだ。政府は貧困層を助ける代わりに失敗者として烙印を押し、貧困を個人の責任として処理している。映画の中の家族がその代表的な例だ」

--経済不況が日本をどのように変えたか。

「共同体文化が崩壊して家族が崩壊している。多様性を受け入れるほど成熟しておらず、ますます地域主義に傾倒していって、残ったのは国粋主義だけだった。日本が歴史を認めない根っこがここにある。アジア近隣諸国に申し訳ない気持ちだ。日本もドイツのように謝らなければならない。だが、同じ政権がずっと執権することによって私たちは多くの希望を失っている」

--前作と同じく、父子関係が印象的だ。

「映画で少年の祥太(城桧吏扮)は父(リリー・フランキー扮)と呼んでいた人がそれほど信じられないことに気づく。私の父は典型的な会社員だったが、私にも似たような感情があった。親に対する確固たる印象が崩れる瞬間、大人になるのだということを言いたかった」

--本当の家族とは。

「決まった答えも定義もない。だが、この映画に関していうなら、永遠に一緒にいられなくても、共に過ごした時間がそれぞれの人生の中に深く刻印されること、それ自体が家族なのではないかと思う」

--次の映画はフランス女優ジュリエット・ビノシュやカトリーヌ・ドヌーブと撮影すると聞いた。

「まだ公式発表前の『うわさ』だ(笑)。韓国にも一緒に映画を撮ってみたい俳優がいて、韓国やフランスの中でさまざまな可能性をめぐり悩んでいる」

今年のカンヌ映画祭は19日まで続く。コンペティション部門受賞作は同日閉幕式で発表される。


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2018.06.11
 『第71回カンヌ国際映画祭』のコンペティション部門で最高賞・パルムドールを受賞した映画『万引き家族』の公開記念舞台あいさつが9日、都内で行われ、女優の樹木希林(75)が「あれは偶然ではない」と快挙達成に称賛の声を送った。

【写真】安藤サクラ、リリー・フランキーら登壇者全員

 本作は、是枝裕和監督(55)が「この10年間考え続けてきたことを全部込めた」と語る意欲作。東京の下町に暮らす一見どこにでもいそうな平凡で貧しい家族。しかし彼らは犯罪で生計をたて、ひっそりと暮らしていた。犯罪でしかつながれなかった不完全だが、愛すべき家族の心揺さぶる衝撃の物語を描く。

 大きな拍手で観客から迎えられた是枝監督は「小さい声で届けていくような作品を作ろうというのがスタート。結果的にこんなに広く、遠くまで届くことが出来たのは、スタッフとキャストがとてもいい形で作品を支えてくれたから。すごくうれしいです」と満面の笑みを浮かべた。

 事を重大さを伝えようと樹木は、現地カンヌの盛り上がりを紹介しつつ「みんなが目指しているのが、このパルムドールなんです」と強調。授賞式など、華やかなシーンが注目されがちだが「撮影があんな冬の寒いときで、暮れも正月もなかったのよ。寒くて汚い中で夏のシーンを撮った」と過酷撮影をぼやきながらも「あれ(受賞)は偶然ではない」と断言した。

 続けて「監督は、9歳から28歳まで団地にしか住めなかった。貧しさにおいて右に出る者はいない。でもそれが世界に認められたのは快挙。これがいい意味で映画の作家だと思います。みんなも感謝しています」と“希林節”で祝福すると、是枝監督は「ほめられたんですよね?」と笑いながら喜んでいた。

 舞台あいさつにはそのほか、リリー・フランキー(54)、安藤サクラ(32)、松岡茉優(23)、池松壮亮(27)、城桧吏(11)、佐々木みゆ(6)が出席。主要キャストが勢揃いし、安藤は「きょうでこの家族に区切りが付いてしまうと思うと、寂しくてしょうがないです」と漏らしていた。

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by hidaneko | 2018-06-11 14:04 | みきき | Trackback | Comments(2)
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Commented by リバー at 2018-06-12 23:44 x
私も見たい映画です。
ただ 私の地域は そういった映画は
何週間か 時間が経過してからの上映
となることが多くて・・・
ちょっと気持ちがかすれることもあります
でも この映画は見たいと思います。

前評判うんぬんは さておいて
やはり自分が見て 感じたい
どうかすると ほとんど理解不能
というようなこともあるけれど。
Commented by hidaneko at 2018-06-13 02:20
>リバーさん

ぜひ、ご覧になってください。

>どうかすると ほとんど理解不能
>というようなこともあるけれど。

深く考えたら、いろいろな問題が詰め込まれている映画だと思いますが
特に深く考えなくても、きっと心に響くものがあると思います。
わたしは、ほっこりしました。もう一度観てみたい。
(シニア料金で、1100円で観れました)


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