大阪寝屋川の事件:あれこれ、まとまりなく思うこと

去年の暮れに報道された、寝屋川の事件。精神疾患のある娘を自宅に幽閉し、結果、衰弱死させた事件について。
同じ障害を持つ子の親として、人ごとではない、つらい事件だった。

詳細が報道されるにつれ、なお悔しさが湧いてくる。
書けば長くなりそうで、他ではつぶやいたりしてたけど、ここでは書けなかった。

今日、女友達と初プールに行って、その後ランチした時、仕事先での「困ったちゃん」の愚痴を聞いたり、お正月の家族の様子を話し合ったりしていて、この事件の話題も出た。彼女もお身内に障害者がおられた。

・・・・・・・以下引用・・・・・・・
朝日新聞 DIGITAL (2017年12月28日04時04分)より
「警察に行かなあかん」次女が両親説得 長女遺棄事件
大阪府寝屋川市の自宅で衰弱死した柿元愛里さん(33)の遺体が遺棄された事件で、会社員の父親泰孝容疑者(55)=死体遺棄容疑で逮捕=と母親の由加里容疑者(53)=同=が「次女に相談し、説得されて自首した」と話していることが、捜査関係者への取材でわかった。
2畳に簡易トイレ、会話はスピーカー越し 寝屋川監禁死
「周囲に知られたくなかった」プレハブ監禁死で両親供述
 府警によると、両容疑者は18日朝、自宅内に造ったプレハブの部屋の中で、監禁していた長女の愛里さんが死亡しているのを発見したが、そのまま遺体を放置した疑いがもたれている。両容疑者は、家を離れて現在は別の場所に住む次女に愛里さんが死亡した状況について説明。「警察に行かなあかん」と説得されたことから、23日に寝屋川署に自首したという。
 捜査関係者らによると、一家は1995年、次女を含む4人でこの家に引っ越してきた。愛里さんは地元の小学校に通っていたが、6年の頃に精神疾患の診断を受けた。中学校にはほとんど通っていなかった。両容疑者は府警に対し、愛里さんが暴れるため、16、17歳の頃からプレハブに閉じ込めるようになったと説明。次女はこの後に転居しているという。
 府警は27日、両容疑者の自宅の現場検証をした。
・・・・・・・引用ここまで・・・・・・・
リンクを辿っていくと、小学6年生頃から発症したらしい。
プレハブに閉じ込めた時期、16〜7 年前って、モグが病名を告げられた時期と重なる。
その頃の精神医療は、いまとかなり違っていたと思う。ってか、違っていてよ。今は進んでいてよと思う。
うちの場合、病名だけを投げつけるように言われた。だからどうなのか、家族としてとう対応していったらいいのか、何もなかった。治療方針についても、疑問を投げかけると「僕の治療法が嫌ならどこへでも行ってください、紹介状を書きますから」これ、大学付属病院でも言われたし、精神科の専門病院でも、まったく同じことを言われた。男医と女医の違いはあったが、まったく同じことを言われた。今から10年ほど前のこと。

もし、寝屋川のご両親も同じような対応を受けたとして、そして世間の目を恐れて隠すしかなかったり、陽性症状が強く出て、手に負えなかったとしたら……。
陽性症状って、幻覚、幻聴や幻視などが強く出て本人も混乱するんだ。暴力的になることもある)

医者からのフォローもなく、どこへ相談したらいいかもわからず、夫婦で抱え込んでしまったら。隠すしかないと思うのも仕方ないかも。
「あの気持ちわかるわ。わたしだってしていたかもしれない」と友が言った。

わたしの場合は、病気のことが分からないから調べまくった。何かことがあった時、ジッとしていられないタチなんだ。心が落ち着かず、深く静かに騒ぎまくってしまう。(自分が手根管症候群になったときもそうだったし、Gサンが発達障害でないか、と言われたときもそうだった、調べまくった)
ネットで調べ、引用されていたり紹介されている本があれば図書館で借りて読んだ。テレビでそれ関係の番組があれば録画して、Gサンにも見てと言ったけれど、彼は見なかった。本を進めても読まなかった。そして「俺はわからん」と言った。わたしだって分からない。分からないなりに手探りで調べていたのに……。

世間の目、これには私もつらい思いをした。世間の目、だけでなく家庭内でもGサンになかなか理解されなくて。
今日の友達ではない別の友達、子供が小さい頃から知っている人に、ぽろりと漏らしたら「そんな(精神科の)病院に行ってたら嫁の貰い手がなくなるわよ」と言われた。こっちは嫁入り先どころでなく、今の娘の辛さを軽減することに心を痛めていたのだが。信頼していた友だけに、ようやく立っているところを、後ろから膝カックンされた気分だった。

それにしても……と、やっぱり思ってしまう。
なぜ、ちゃんと治療を受けさせてあげなかったのだろう、と。陽性症状も薬である程度抑えていくことができる。
家で看られなかったら、入院という手もあるじゃないか。費用が心配というなら申請すれば自立支援立もうけられ、医療費の上限もある。(色々と問題のある自立支援法ではなるけどね)
それらを使えば、こんな悲劇も起こらなかったと思う。せめて、もう少し、ましになっていたと思う。

夫婦で抱え込んでしまって、誰にも相談せずに、世間に知られるのを恐れ、暴れる娘を押さえつけようとして……憶測だけれど……そのうちご両親も精神を病んでいったのでは、と思う。

なぜそう思うのか? 親が全て子を愛すると言うわけでもないのは知っている。昨今の子殺しなどを見ても(いや、昨今でなくても古くからあったことだけど)。もし今回の事件の親に、障害を持つ子に対しての愛がなければ、十数年も面倒は見なかったと思う。あの親たちのやり方は、まったく間違っているし、子の人権なども考えてもいないのも腹立たしいが…。

たまたま、我が家は、あれから良い開業医に巡り会うことができ、陽性時期を乗り越え、陰性症状もありながら、いまは小康状態。勤めは無理。以前は派遣に行ったりしていたが、2ヶ月もすると体調を崩し挫折。体調を崩し苦しむことになる……それを何度も繰り返し、わかってからは、もう無理はさせていない。生きているだけで丸儲け。

下のMore に引用したけど、発症前は、この事件の女性も、うちの子も、普通の子だったのよ。明るくて、思いやりのある、よく周囲に気のつく子だった。(モグは小学校5、6年のときは、早めに登校して教室の先生の机を拭いたり、花の水を取り替えたりしてた。誰に言われたのでもなくても、自分からすすんで)
誰が悪かったわけでもない。。空から降ってきたように、障害が落っこちてきたのだ。本人だってなりたくてなっているわけじゃない。原因は、脆弱性とかストレスとか性格とか色々(こちら)。よく遺伝すると言われるけれど、なりやすさ(脆弱性)が遺伝するだけで、病気自体が遺伝するわけじゃない。

ほんとに、もっと理解され、今回のような悲劇が二度とないようにと祈ります。
愛里さんの無念さを思うと、胸が痛い。ご冥福をお祈りします。




・・・・・・・・・・

朝日新聞 DIGITAL より
お母さんにダンス見てほしい…衰弱死の女性、小5の文集
(2018年1月2日21時11分)

 頑張って、お母さんに見てもらいたい――。小学5年の運動会で創作ダンスを披露し、文集にそんな言葉を残していた少女は約20年後、無残な姿で見つかった。大阪府寝屋川市の自宅で柿元愛里さん(33)が衰弱死した事件。府警が2日、両親を監禁と保護責任者遺棄致死容疑で再逮捕した。

 「読書が好きで、休み時間にはよく、図書館で分厚い本を読んでいた」。小学校の同級生だった女性(33)は、記憶の中の愛里さんをこう振り返る。

 愛里さんは小学5年だった1995年夏ごろ、大阪府枚方市から隣の寝屋川市の家に両親と妹とともに引っ越し、地区の小学校に転校してきた。女性はそれから6年生まで同じクラス。「可愛い名前ね」と話しかけると、愛里さんは「お父さんがつけてくれた名前なんよ」と教えてくれたという。飼育委員を務め、熱心にウサギの世話をしていた姿をよく覚えている。

 小5の頃に書いた文集には、創作ダンスを一生懸命練習し、「お母さん来てないかなあ、見てほしいなあと思って、ダンスをしながら目で探していた」と記していた。小6の3学期から突然、学校に来なくなり、中学に登校する姿も見ていない。「恥ずかしがり屋の普通の女の子だったのに、悲しすぎる。真実を明らかにしてほしい」と願う。

 学校が同じだった別の男性は、愛里さんが登校しない理由を教師に尋ねた。だが、「『事情がある』としか返してくれなかった」と話す。

 捜査関係者によると、愛里さんは16歳の頃に統合失調症と診断されていた。両親は「暴れることがあり、16、17歳の頃からプレハブの部屋を改修して入れた。周囲に知られたくなかった」などと供述しているという。厚生労働省は統合失調症について「初めて発症した患者のほぼ半数は、完全で長期的な回復を期待できるようになった」とするなど、適切な治療により回復する人も少なくない。

 息子が愛里さんと小学校の集団登校で一緒だったという近所の50代の女性は、母の由加里容疑者(53)とともに集団登校の補助などをする子ども会の活動をしていた。「(由加里容疑者は)気さくな人で、一生懸命取り組んでいた」と振り返った。捜査関係者によると、父の泰孝容疑者(55)は会社員としてガラス工場に勤務。近所の人たちによると、愛里さんが中学校に上がった頃からは、一家が外出する姿は見かけなくなったという。

 愛里さんが閉じ込められていたプレハブの部屋は、簡易トイレを除けば生活空間は約1畳のL字形のスペースしかなかった。体は極端にやせ細り、筋肉も脂肪もほとんどなかった。捜査幹部は「見るに堪えないほどの状態で、どんなに苦しかったか」と表情をゆがめた。両容疑者は「数年前から『暑い』と言って服を脱ぐので、季節に関係なく服を着せていなかった」とも話しているという。府警は今後、監禁状態になった背景や生活実態などについて解明を進める。


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by hidaneko | 2018-01-05 20:01 | うきよ | Trackback | Comments(2)
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Commented by g-san1101 at 2018-01-06 11:52
今年もよろしくお願いいたします。こんな不幸がなくなればと思います。
ずいぶん前に、ADHD研究で知られた大学の先生のお話を聞いたことがあります。ある国でADHDが知られていなかった時の調査では患者数は皆無だったのに、知られてすぐの調査ではかなりの患者数になったそうです。
これは「理解」なのか「レッテル付け」なのかその時考えてしまいました。
どうであれせめて親はしっかり子どもを受け止めようとその時思いました。
Commented by hidaneko at 2018-01-06 20:20
>g-san さん

コメントありがとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。

ADHD、昔だと、名前が付いてなかっただけで、いなかったわけじゃないと思います。落ち着きのない子、ちょっと変わった子、困ったちゃんという感じで教室にいましたもの。
名前をつけることには、いい面と悪い面もあると思いますが、疾病や症状、障碍の名前がわかることで、特徴や傾向がわかり、親や周囲も対応しやすくなる面もあると思います。
病名や障碍を受け入れたくない、という親御さんもいらっしゃるとは思いますが…。

>どうであれせめて親はしっかり子どもを受け止めようとその時思いました。

おっしゃる通りだと思います。
「丸ごと」ひきうけるしかない……丸ごとでこの子、と。
(ただ、夫だと、対等意識があるからか「丸ごと」がなかなか難しくて…)


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