夕方、家の外で猫の声がした。
雄猫が、威嚇し合っているような、どすの利いた声。
夕ご飯を時差食べしてたGさんに声をかけた。
「お疲れ様です」と、わたし。
だまってうなづくG。
「外で鳴いているのは猫ですか?」と、わたし。
(モグと、猫かしら、犬かしら、と会話してたの)
「入らないから消した。今朝シャワーしたし、洗濯もしたから」とG。
はあ? なんの話?
あ、お風呂のことか。
わたしが話しかけたのは、外から聞こえる猫の声のことなんだけど…。
人の話を聞いてないのかなあ。
聞こえていないのか、聴く気がないのか、耳に入っても脳まで届かないのか
話し相手がわたしだから、いい加減に聞いてたのか………
「あ、お風呂のことですか? かまいませんよ」
と、付け加えて、再度聞いてみる。
「外で猫が鳴いているみたいだけど?」と。
「ああ、グレイだ。縄張りだと思って、威嚇してるらしい。
でも、あの声では迫力ないけどな」と、G。
外猫グレイは、用心深くて思慮深い。
鳴き声も遠慮深く小さい。(知り合った時には全然鳴かない猫だった)
そのグレイが、よそから来た猫から縄張りを守るべく、威嚇してる。
微笑ましい。
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わたしは、仕事部屋に戻り、明日の会議の下調べでDVDを見てた。
Gサンは夕食を終え、外猫グレイに餌をやり、タナにも餌をやってる音がした。
しばらくして、居間のほうに用があり、行ってみたら、
居間も玄関も台所も明かりが消してある。
ふと見ると・・・
裏玄関の引き戸が30センチほど開いてる!
すわ、タナ猫、脱走したか!
あわてて外に出ると、タナとグレイが戯れていた。
タナは、昨秋から外に出していない。グレイとも遊んでいない。
でも、グレイはタナを威嚇しない。
いつも餌をくれるうちの猫と、認識しているのだろうか。
かしこいなあ。
タナは、先日の入院騒ぎのとき、点滴してもらった場所を舐めすぎて、
舐めて、舐めて、毛もぷっちん、プッチンとむしってしまって赤肌にした。
だから、また、エリザベスカラーをされて、ラッパー。
道路にでると困るから「タナいい子、タナいい子」と猫なで声で呼びかけて
ようやく捕まえて家の中に・・・
裏玄関から入って、鍵をかけようとしたら、変な具合になってた。
引き戸が少しずれた状態(少し開いている状態)で施錠したから、
これは錠の意味がない。タナなら開けられる。
Gサン、しっかりしてくださいよ(と、内心、憤怒)
タナ、汚い!
砂だらけ、ホコリだらけ。
タオルをお湯で絞って、身体中を拭く、拭く。
すすぎ直して、また拭く、拭く、
ラッパーで、自分で舐めてきれいにすることができないから、
代わりに拭いてやる。
ったく、Gサンよ、要らない手間をかけさせないでよ。