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点滴ポール 生き抜くという旗印

図書館から借りて読んでいる。
三歳の頃に発症し、筋ジストロフィーと診断されたという作者、
岩崎 航さんが、病床からつづる5行詩。
いくつもの言葉が心に響く。

・・・

点滴ポールに
経管食
生き抜くと
いう
旗印

・・・

ときの経過は
躯(からだ)を細らせはした
けれども
心まで細らせは
しないんだ

・・・

肋(あばら)の浮き出た
吾が薄き
この胸板も
男の
胸板である


そしてまた・・・・・

心 こんがらがった
乱麻の糸も
元々は一本の糸
自分自身でしか
ほどけない

・・・

振り払っても
振り払っても
だめならば
認めてしまえ
呑み込んでしまえ


沢山の絶望と、幾度となく死にたいと思う日々を乗り越え、綴られた言葉は胸にまっすぐ響いてくる。モグのことや、バーサンの介護の頃のこと、また自分のことなども合わせ考えたりさせられる。


どんな人でも
木石扱いするなかれ
みんなと同じです
在るんです
解るんです

・・・

自分で自分を
穢(けが)すな
小さくとも
確かな誇り
失うな


引用したい詩は、まだまだ沢山ある。
そして、一番共感したのは・・・・・・


 
  「貧しい発想」

管をつけてまで
寝たきりになってまで

そこまでして生きていても
しかたないだろう?

という貧しい発想を押しつけるのは
やめてくれないか

管をつけると
寝たきりになると

生きているのがすまないような
世の中こそが

重い病気に罹(かか)っている

・・・・・・・・・・・

図書館の本、明日は返却日
手元に置きたいから、やっぱり買おうかな。

点滴ポール 生き抜くという旗印

岩崎 航・著 / ナナロク社


by hidaneko | 2013-09-24 11:32 | ほ ん | Trackback | Comments(0)


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