図書館から借りて読んでいる。
三歳の頃に発症し、筋ジストロフィーと診断されたという作者、
岩崎 航さんが、病床からつづる5行詩。
いくつもの言葉が心に響く。
・・・
点滴ポールに
経管食
生き抜くと
いう
旗印
・・・
ときの経過は
躯(からだ)を細らせはした
けれども
心まで細らせは
しないんだ
・・・
肋(あばら)の浮き出た
吾が薄き
この胸板も
男の
胸板である
そしてまた・・・・・
心 こんがらがった
乱麻の糸も
元々は一本の糸
自分自身でしか
ほどけない
・・・
振り払っても
振り払っても
だめならば
認めてしまえ
呑み込んでしまえ
沢山の絶望と、幾度となく死にたいと思う日々を乗り越え、綴られた言葉は胸にまっすぐ響いてくる。モグのことや、バーサンの介護の頃のこと、また自分のことなども合わせ考えたりさせられる。
どんな人でも
木石扱いするなかれ
みんなと同じです
在るんです
解るんです
・・・
自分で自分を
穢(けが)すな
小さくとも
確かな誇り
失うな
引用したい詩は、まだまだ沢山ある。
そして、一番共感したのは・・・・・・
「貧しい発想」
管をつけてまで
寝たきりになってまで
そこまでして生きていても
しかたないだろう?
という貧しい発想を押しつけるのは
やめてくれないか
管をつけると
寝たきりになると
生きているのがすまないような
世の中こそが
重い病気に罹(かか)っている
・・・・・・・・・・・
図書館の本、明日は返却日
手元に置きたいから、やっぱり買おうかな。