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命って、重たい。

バーサンは小康状態です。
毎日かならず、誰かが行くようにしているのだけれど、昨日は、わたし疲れ過ぎて行けなくて、Gサンとアリさんに行ってもらった。

今日は、わたし一人で行った。車で15〜20分くらいかな。バーサンはうとうと、ぼんやりしているようだったけれど、わたしが行くと、頭を枕からもたげるようにした。わが家で言うところの「鎌首をもたげた」という様子。まだ、首を持ち上げるだけの力はあるんだ。

手首には無数の内出血のあと。赤黒くなっている。
バーサンは、皮膚も薄くなっている(点滴の針を刺すところはオプサイト・フィルムが貼ってある)。血管ももろくなっている。点滴の針がなかなか刺さらないと思う。病院の方々はよくやってくださっている。

「足背に浮腫が出やすいので挙上をお願いします」と、入院時に伝えたのだが、挙上のかわりに、弾性ストッキングを履かせてあった。でも、浮腫んでいる。
そっと、そっと、さする。わたし、そっと、そっと、さする……。それしか、今のわたしには、バーサンにしてあげられることがない。30分ほどさすってあげて「また来るね」と帰ってきた。

夕食後、アリさんと図書館に行った。モグの予約本が来ているのを取りに行くため。(モグは昼前からアリさんとショッピングに出掛けて、疲れたという)。図書館へ行く車の中で、バーサンのことも話した。もう会えるのは最後かもしれないよ、と。内蔵が全部弱っている。皮膚も血管も弱っている。心臓も腎臓も弱っている。消化器も弱っているから栄養を吸収しにくくなっている。

「耐用年数こえているから仕方ないのよね」とわたし。
「百歳越えて元気な方もいるけど、そっちのほうが珍しいのよ」とアリさん。
「この次、肺炎を再発したら、最期かもしれない」
「うん……、ここまで長生できたのも、かあさんがお世話してきたからだよ」
ああ、この子までそんなこと言うのか、言ってくれるのか……。かあさんは、目が水浸しになりそうだよ。

ブログに「バーサンの入院」を書いたけど、あとで、誤解を受けるかも知れないな、と思った。不快に思う方もいらっしゃるかも…と思った。〈非公開〉に設定し直した方がいいのかも知れない、とも思った。
バーサンの死を願っているのではない。わたし、バーサンが早く死んじゃって介護から開放されて楽になりたい、と思っているのでもない。

眠れない日が続いてる。早朝覚醒が続いている。

かあさん、わたしは、まだもう少し、あなたの娘でいたいです。

そう思う陰で、すまない、と思う。
去年の3月11日に亡くなった方々に、すまないと思う。もっと、もっと生きたかった方々がおいでだと思う。もっと、もっと生きていて欲しかった方々がおいでだと思う。平均寿命をはるかに越えて生きているバーサンに、それでもまだ生きていて欲しいと思う我が心、すまないと思う。

命って、重たい。
自分じゃ支えきれないくせに、まだ生きていて欲しいと思う我欲。

命って、重たい。
バーサンは明日104歳になります。
by hidaneko | 2012-05-01 23:15 | かいご | Trackback | Comments(2)
Commented at 2012-05-02 10:50 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by hidaneko at 2012-05-02 21:44
>鍵at 2012-05-02 10:50 さま

はじめまして。
コメントをいただき、涙がでるほど嬉しかったです。
ひとつは、ROMしてくださっている方がおいでだということ。
こんな愚痴ブログなのに…。

そして、お書きくださった内容について。おつらい思いをなさったのに、温かなお言葉、涙がこぼれます。

ほんとうに、ありがとうござます。
弱虫、泣き虫のひだまりねこですが、心しっかり持ちます。


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