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月がきれい

病室の窓から・・・
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夕方、バーサンが意識を回復した。



朝、ショートステイ先から電話。
「発熱38.7℃と、嘔吐、大量の下痢、どうしましょうか」と。
往診を頼んでいる診療所の時間外電話にかけ、看護師に相談しているうちに、ショートステイ先から
2度目の電話。
「顔の表情がなくなってきたので、救急搬送します」
以前、やはり救急で入院したことのあるR病院へ行ってもらい、わたしも駆けつける。

バーサンに付き添ってきてくださった、ショートステイ先のS園の看護師さんから、再度状況を聞く。昨日までは何ともなかったらしい。食事はミキサー食の全介助で全量たべ、水分も1000cc摂っているという。病院の看護師さんにも経過を伝えてもらう。

救急外来の検査を待つ間、外の廊下で、長い待時間。9時前から11時過ぎまで。看護師さんも一緒に待ってくださった。
病院の看護師さんの口からは「熱中症? 脱水症状?かもしれません」って。
「水分あれだけ摂っていてもですか?」
バーサンは昏睡状態。呼んでも、頬を軽くたたいても反応無し。

看護師長からの確認、
「この病院に循環器の専門医は常駐してなくて、外からおいでになるのですが。他の病院へ行かれるか、ご高齢ですし、積極的な治療はせずに、こちらの内科でよろしいでしょうか」
バーサンは以前から大動脈瘤(のうたがい)を抱えているから、そのことかと思い、
「この年ですし、何があっても、覚悟してますから」と応えたら、看護師長、あきらかにホッとしたように笑顔になった。

またしばらく待ち、ようやく、医師の説明。
「急性心不全か、心筋梗塞を起こしているでしょう。今日一杯もつか、数日か、わかりません」
ここでも、積極的治療はしないことを確認された。何かあっても人工呼吸器などつかわずに、本人の苦痛がないようにして様子を見る、と。
「今日中の可能性もあるのですか?」
「なんとも言えません。会わせたい身内方には連絡したほうがいいでしょう」


ショートステイ先の看護師さんには帰っていただき、わたしは病室の空くのを待ちつあいだ、バーサンの傍につきそう。
ようやくに上がり、そこで病棟の看護師さんから病衣に着替えさせたりオムツ交換してもらう。その病棟の看護師長さんから、また病状の説明。

ケータイの使える場所を聞いて、Gサン、アリさん、モグちゃん、R君にメール。
折り返し、モグちゃんから電話。「すぐGサンとタクシーで行こうか?」今日が派遣の最後の日だったのだけれど、午後から行くことにしたとか。来てもらうことにしたら、折り返し「Gサンがいない」って。ああ、今日は胃の検査で病院へ行くと言っていたっけ。モグひとりでいいからタクシーで来てもらうことにする。

アリさんからも、電話。彼女も仕事中のはずなんだけど。「行った方がいいかどうか」って。「生きているバーさんの顔が見たかったら来て。それでなかったら、亡くなったら連絡するから」
「バーサンはもういいよ、何度も顔を見に行っているし。それより、母さんが倒れないように、手伝いに行った方がいいかと思って」
頭が混乱していて、誰にどう手伝ってもらったら良いのか分からない。しばらく待ってもらう。また連絡するから、と。

モグの到着を待って、モグにはバーサンに付き添ってもらっていて、わたしは、ショートステイ先に、バーサンの荷物を取りに行き、家によって入院のしたくをしてくることにする。車で東奔西走。Gサンが来ていたら、やってもらいたかったことだ。

途中、アリさんから電話。「上司に言ったら、すぐ帰りなさいって。今日行こうか、明日早く行こうか?」
頭が混乱していて、誰にどう指示をだしたらいいのか、わからない。
「今、運転している途中だから、あとで連絡するね」

時計を見たら13時過ぎ。お昼食べて薬のまないと、わたしが具合悪くなる。パン屋に寄って、おいしいパンを買う。病院に行ったらモグと食べよう。あの子もお昼まだのはずだから。

家にもどると、Gサンが寝ていた。
メール見たのか見ないのか、自分が検査で具合が悪くなったという。

バタバタと入院のしたくをして、Gサンにも病院へ一緒に行ってもらう。「あなたが運転する?」「どっちでもいい」
どっちでもいい? それって返事になってない。ムカッとするが、キーを渡し、運転してもらう。なぜかGサン不機嫌。

バーサンは、あいかわらず、昏睡状態。でもバイタルはいいという。
Gサンにつきそっていてもらい、モグと家に帰る。「ゆっくり家で休んでこいよ」と言われても、げショートステイ先から持ってきたバーサンの衣類、吐瀉物等で汚れたのを洗わなくては。家の者の洗濯もあり洗濯機2回。

「夕ご飯はわたし、カツオを買ってアルから」とモグが言う。
「午前中にでかけたとき、いいのがあったから買っておいたの」気が利く。
Gサンから電話。
「おにぎりはいらないから」
「は?」
「オレのおにぎりは要らないから。今夜夜勤だけど」
ああ、夜食用のおにぎりのこと、すっかり忘れていたわ。

モグが「寝たい。朝、メールが来た時も、薬を飲んで寝ようとしてたの」という。
「じゃあ、夕ご飯を早めに食べて寝ていいよ」
モグを家において病院にもどると、バーサンの意識がもどっていた。
「主治医の回診のとき、目を開けたんだ」
夏掛けの下で、手が動いている。そっと握ると、握り返してきた。
ほっとする。

この病院、付添は要らない。
「何かあったら、ご連絡しますから」と看護師さんに言われ、帰ることにする。
Gサンに運転してもらいたくて、車のキーを渡そうとしたら「おまえが運転しろ」というように、顎をしゃくった。わたしも疲れているんだけどナ。

帰宅後、Gサンは食事。わたしは食欲もなく、床に倒れ込んでぼうっとしていると、電話。Rくんからだった。仕事が終わったから、バーサンの病院に行くと言う。
「面会時、何時まで?」「20時まで」「ぎりぎりになるかもしれない」「じゃあ、その時間に母も行っている」
シャワーを浴び、着替えて、また病院へ行く。モグも、R君に会いたいから一緒に行くという。

主治医の病状説明書を見せ、入院の状況を説明する。
「まあ、そうだろうな。今は安定しているみたいに見えるけど、いつ何時どうなるかわからないもんな」
昼なら仕事先に電話してきていいと言う。電話番号を聞く。
あす、また来てくれると言う。

モグちゃんといい、アリさんといい、Rくんといい、なんて優しンだろう。
バーサンのことはもういいよ、覚悟はできている、けど母さんが倒れないようにさ」って、どの子もいう。ありがたい。ありがたい。
こういっちゃなんだけど、Gサンよりよほどあてになる。「お父さん、どうしたらいいか分からないんだよね」
by hidaneko | 2010-07-24 04:51 | かいご | Trackback | Comments(2)
Commented by ぼやっきー at 2010-07-24 08:53 x
どうかお疲れのでませんように
Commented by hidaneko at 2010-07-24 10:06
>ぼやっきーさん

ありがとう。お気持ち嬉しいです。
今日は、わたしも少し落ち着いてます。
でも・・・・今後のことを考えると、
自分が事務的なこと(連絡等、その他もろもろ)が苦手なのがよく分かりました。


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