カテゴリ:ほ ん( 88 )

読書週間も一山超えて

秋の読書週間も今日までらしい。
この期間、10月〜11月にかけて、
わたしが所属してるボランティアグループには
小学校や保育園から絵本の読み聞かせ出前の依頼が来る。
どこも「全クラスに入って欲しい」という依頼。

保育園なら、
2歳児(未満児)、3歳児(年少)、4歳児(年中)、5歳児(年長)の、4クラスへ。
各クラス1名か2名で、読み聞かせや手遊び、ストーリーテリング。

小学校なら、各学年と、特別支援学級へも。
小規模校だと、1学年2クラス、全校で12コマ、
マンモス校になると、1学年6クラス、それが6年生まであるから、36コマ。
1クラス2名のボラで3コマずつ、数名が何日間かお伺いする。
いつ、誰が、どこへ行くのか、組割のスケジュールを立てる係りの方のご苦労!

この秋、
わたしは、保育園2つ(どちらも4歳児クラス)と
小学校2校へ2日ずつお伺いした。
1年生、2年生、3年生、4年生、5年生、特別支援学級。
お客様の年齢に合わせて、それぞれプログラムを立てる。
また過去にその学校でどんな絵本が読まれたかも考慮しなくては。
1年生なら問題ないけれど、2年生だと、去年は1年生でどんな絵本だったか、
3年生なら、去年、一昨年、1年生、2年生でどんな絵本を読んでもらってたか、
しらべて、その年齢にふさわしい絵本を選んで持って行く。

会のメンバーに現役の小学校の司書もいるので、チェックが入る。
私たちが立ててプログラムを見て、
「この学年にこの絵本は幼すぎる。もっと聞き応えのある絵本を」とか、
「この絵本はどれも同じボリュームだから聞いてて疲れる。順番も変えたほうが良いのでは?」
など言われたら、別の絵本に差し替えるよう考え直したり。

もう、脳内ごちゃごちゃになる。
それも、図書館から絵本を借りて行くから、貸出期間に返却できるかとか
結構忙しいことになる(笑)

楽しいけどね。
子供達の反応が素直で、引き込まれて聞いてくれるのは嬉しい。

その学校2校が終わって、ホッとしてる。
あとは、月末の特別支援学校の1コマと、保育園の1コマ(これは来月)。

うちの会の評判はいいんだ。
選書にも力も入れてるし、読み方も練習していく。
前に、ある年、忙しくてお断りした学校が、別の会に頼んで、
次の年には「やっぱり、こちらの会でお願いします」という依頼もあった。

秋の読書週間の怒涛の季節が終わると、静かに冬がやってくる。




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by hidaneko | 2017-11-17 10:59 | ほ ん | Trackback | Comments(0)

「つばさものがたり」を読んだ。

珍しく、本当に珍しく、Gサンが図書館から借りていた本を
「これ、ギリギリ面白い。参考になるかも……」
と、手渡して(じゃない、机の上に置いておいて)くれた。
彼は図書館に日参してるけど、本を紹介してくれたのは、初めてじゃないかな?

つばさものがたり

雫井 脩介/小学館

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ふつうに面白かったけど、大事な部分で設定ミスがあって、嘘っぽくなってしまった。
ネタバレになるので、あとは「 More 」で。

Gサンには「設定にミスがあって乗れなかった」とは言わないで
「面白かったです」と伝えて、ありがとうと言って返したけど。

代わりに、友達に借りて読んで面白かった「黒幕のゲルニカ」原田マハを貸してあげた。


More
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by hidaneko | 2017-05-15 20:07 | ほ ん | Trackback | Comments(0)

絵本の出前

絵本の読み聞かせボラ。今日は学童保育へ。
お客さまは、新入学の1年生30名あまり。

鼻炎の薬を飲んで行ったのに、読んでいるうち鼻水がたらり。
子供に指摘されて、はずかしぃ~。
洟は止まらず代わりに喉がひりついて読みにくいったらなかったわ。
鼻炎薬のばかばか!

だけど・・・
去年度、3回ほど絵本の出前に行った保育園に通っていた子もいて
「あ、前に、⚪︎⚪︎保育園に来たよね」などと言われると嬉しい。

 読んだ絵本は・・・
1、ふしぎなナイフ
2、こすずめのぼうけん
3、だいどころにもはるがきた
4、とん、ことり
5、くんちゃんのはじめてのがっこう




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by hidaneko | 2017-04-11 21:29 | ほ ん | Trackback | Comments(0)

読書三昧

一昨日から本を読んでて、2冊読み上げた。

昨日は『桜風堂ものがたり』村山早紀(PHP研究所) 読了。
>万引き事件がきっかけで、長年勤めた書店を辞めることになった青年。
>しかしある町で訪れた書店で、彼に思いがけない出会いが...。
>田舎町の書店の心温まる奇跡。
…と、ネットの紹介にあったけど。
村山早紀って、児童文学から出た人で、文体がたるいというか、
全体の作りも甘めでイマイチ、わたしのお口にあわない。
でも、本の流通の話など内輪のことが書いてあって、その辺は面白いかな?

口直しみたいに読んだのが、こちら。
『暗幕のゲルニカ』原田マハ(新潮社) これが面白かった。
友達から借りた本で、帯がケバい。
>2017年本屋大賞ノミネート!
>「ダ・ヴィンチ」プラチナ本
>第9回R・40本屋さん大賞……などなど、黄色い地に黒と赤で。

「本屋大賞」は知ってるけど「R・40本屋さん大賞」って知らないから
ググったら「「中高年向けの歯ごたえのある良書」だとさ。
なるほど、作品が厚い感じで面白かった。

初出が、小説新潮2013年7月号〜2015年8月号 ということで
月刊誌の連載だから、ストーリーの繰り返しの部分もあるけれど、そう気にならなかった。

ゲルニカの空爆に対し怒ったピカソが描いた「ゲルニカ」。
作者が繰り返し言っているのが(登場人物に言わせてるのが)
「ピカソが、私たちが戦っている敵は……「戦争」そのものなんだ。
 私たちの戦いは、この世界から戦争という名の暴力が、悪の連鎖がなくなる日まで続くんだよ」



More:なぜそんなに本が読めたのか
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by hidaneko | 2017-04-09 21:18 | ほ ん | Trackback | Comments(0)

本について語りだしたら止まらない会

表題、正しいかどうか、ちとおぼつかないが。
友達の家に異世代異業種の本好きが10人ほど集まって
飲む人は飲み、飲まない人や車の人はノンアルコールで
夕方の4時過ぎから、延々、夜の10時半過ぎまで。
本について、語り合う会。
もう十数年つづいていると聞いたけれど、わたしは去年につづいて2回目の参加。

はじめ、この会のことを聞いた時、
「本について、そんなに話すことあるの?(キモい)」と思ったけど、あるんですね。
時の経つのを忘れていました。

楽しかった〜!
自分、最近はあまり本を読んでないから気後れしてたんだけど
行って良かった。


普段、本についてやその他もろもろのこと、自分の意見や考えをいう機会がない。
もちろん、話題は本が中心だけど、その周辺のこと
本に書かれていることのほかにも話題が広がり、
社会のことや、介護や、終末や、絵について、ジェンダーやマイノリティなどについて
聞いた。聞いた。聞いた。話した。聞いた。

初めてあう方もいた、というか半数は初対面の方。
ほんとに、年代も40歳代から70歳代まで。
職業もさまざま。
それぞれが、この1年で読んだ本の中から印象的だった本3冊について
ブックトークのように話す。
それについての、質疑応答(笑)

飲むほどに、酔うほどに、また素面のままで(自分も車で行ったので素面)
4時に来て7時に帰る人、
7時過ぎに来る人、
8時過ぎに来る人、
9時過ぎに帰る人、
まだまだ居残って話す人・・・

自由な空気、おいしいご馳走、豊かな話題。
ある人が言っていたけど、まさに「夢のようなひと時」でした。

ちなみに・・・わたしが持って行った本は
・髙田郁の本。
・深谷かほるの「夜廻り猫」。
・文鳥文庫の本。

「かおる」つながりをマクラに
同じ時代小説でも昭和と平成では視点が違う、ということ
ツイッターで始まった漫画が単行本になったこと、重版決定のこと
電子書籍ではない「紙の本」の形(装丁など)について話してきました。

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by hidaneko | 2017-04-02 00:11 | ほ ん | Trackback | Comments(0)

「走れメロス」を音読してみる。文鳥文庫。

少し前に、知人から「文鳥文庫」なるものを頂戴した。
「閉じてないんですよ、この本」という言葉とともに。

外側は、厚紙の文庫本サイズの函のよう。
開いていくと、薄い袋が8枚入っていた。
作品のタイトルと著者名を記してある。

袋から中身を取り出すと……
蛇腹折りの紙に印刷された作品がでてくる。
蛇腹折りってお経の本みたいなの。屏風だたみとも言うけど。

ん? 説明がわかりにくい? どんなのか見たい方は
こちら 「文鳥文庫」 のサイトを見てね。写真が出てます。

函に入っていた8冊は
「走れメロス」……太宰治
「注文の多い料理店」……宮沢賢治
「白」……芥川龍之介
「変な音」……夏目漱石
「堕落論」……坂口安吾
「檸檬」……梶井基次郎
「手袋を買いに」……新美南吉
「高瀬舟」……森鴎外

どれも有名な作品。文学史で習うようなの。
だけど、恥ずかしながら、わたし、読んだことのない作品がある。
坂口安吾の「堕落論」。
はい「お噂はかねがね…」なんだけど読んだことがない。安吾にがて。
あと、芥川の「白」と、漱石の「変な音」も記憶がない。
どっちも好きで、短編もかなり読んだはずなのに思い出せない。
(いま面白かったのは、片方が苗字で、片方が名前で略したこと。
龍之介、夏目、とは言いにくいなあ)

まあ、それはあとで読もう。

今日は「走れメロス」を読んだ。それも声に出して朗読してみた。
な〜に、パソコンのバックアップを待つ時間に、なんですけどね。

この作品は教科書にも載っていて、
「神々も照覧あれ!」とかギャグとして使うくらいだけど、
声に出して改めて読んでみて、文体の癖に気がつく。
「、」が多いのだ。だから音読しやすい。
ふつう、大人のための読み物にはこんなに「、」は打たないね、
童話には、分かち書きの代わりに「、」を多用することもあるけど。

それと、繰り返しの強調。
文の緩急の妙。

そして、読みながら思ったのが
太宰は「人を信じること」をどう捉えていたのだろうか、と。
自分自身が人を信じることができなくて、信じたいと思いながら書いてたのだろうか。
ああ、太宰について、高校生の頃はハマっていたけど、
そう深くも知らないうちに「卒業の魅力」とか言っちゃって離れてた。
それ以来だもんな。もう少し知りたくなった。

それにしても……
声に出して読むって、面白い。
童話や絵本の読み聞かせはしてるけど、朗読はしないから。
今日は、バックアップを待ちながら、
思いがけず、深いところまでスッと入った…というか
落ちこんだ? 嵌まった? 気がした。気持ち良かった。

残りの作品も、おいおい音読してみよう。


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by hidaneko | 2017-03-28 21:51 | ほ ん | Trackback | Comments(0)

遠藤周作『沈黙』から考えたこと

友達が「用事で長崎に行くから遠藤周作の『沈黙』を読み直してる」と言った。
一方、私は中島みゆきの劇場版を見に行ったとき
映画の『沈黙』の予告編を見て興味を持ってた。

友達に触発され、図書館で予約した。
順番が来て、借りて小説を読み始めたけど
拷問のシーンとか辛くて、読むのがしんどい。
半分、読んだ所で……昨日、映画を観てきた。
ほんとに私が読んだのは半分くらいだったけど
映画では丁寧に描かれている感じがした。
だから、「やっぱり小説を読み通そう。重いけど」と思った。

じつは、以前も『沈黙』を読みかけて挫折した。
今回はちゃんと読み通そう。
私は特に信仰を持ってないけど家には仏壇もあるし神棚もある。
宗教というより、行事として、お盆や正月の初詣などを行ってる。
常日頃は「神も仏もあるものか」と思うけど、
人為を超えた力があるのは感じてる。自然の力とか。
本を読みながら、気がつくと信仰について考えている。機会

映画を見ながら、ぼうっと考えていたこと…。
『沈黙』に出てくる信者たちは神を信じ、支えられてる。
私は何に支えられているか…? 
ぽっと「平和」とか「自由」という単語が浮かんだ。
…それがなくなるのは辛いな、と思った。

「生まれたときから、平和と自由はあったな」と、
戦争をしらない子供だったわたしは思う。
あるのが当たり前だから、なくなるのは嫌だ、と思う。
近頃「平和」を希求したり「自由」を謳おうとすると
偏っている、と言われたりする。「パヨク」などと言われたりする。
(「パヨク=左翼=日本共産党支持者」の意。ネットでの差別用語)

「平和」って単語は、たしか、明治時代にできたと聞いた覚えがある。
「Peace」の訳語として、漢語の「和平」から作られた…と。
それまで、日本には「平安」とか「安寧(あんねい)」という単語はあったけど
「平和」はなかったのだ。

映画『沈黙ーサイレンス』を観たとき、予告編で
『未来を花束にして』の予告編が流れた。
100年前のロンドンで、女性の参政権のために戦った女たちの話。
この映画も観てみたい。
(邦題だと恋愛映画みたい。原題は「Suffragette」婦人参政権運動家)

今日の書き込みは、話があっちこっちへ飛んでるけど……まとめると
信仰をもたない私を支えてくれているのは、平和と自由。
でも、それらは、天然自然にあったものではなく、
私たちの先輩たちが苦労して手に入れてきたもの。
いま、それらが脅かされようとしてるように見える時代。
守っていかなくてはならない、と思うの。





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by hidaneko | 2017-01-28 18:42 | ほ ん | Trackback | Comments(0)

雑草と楽しむ庭づくり

自分メモ

「雑草と楽しむ庭づくりーオーガニック・ガーデン・ハンドブック」
某ブログで見かけて、図書館にあったので借りてきた。
クリニックの待ち時間にちょっと読んだだけだけど、面白い。
こういうの好き。
裏の工事が終わったら、きっと空き地ができるから、そこの対策を練っているのだ。
庭を作るほど元気じゃないけど、雑草だらけも近所迷惑だ。
この本では共存を言っている。参考になるといいな。

「雑草という草はない」と言われるが、
いろんな種類の木々が生えているところを「雑木林」という。
そういう意味で、いろんな草を「雑草」と呼びたい、という姿勢。

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by hidaneko | 2017-01-20 21:04 | ほ ん | Trackback | Comments(0)

12月の読み聞かせ

今週は、保育園への絵本の読み聞かせの出前が2軒。
わたしが担当したのはどちらも5歳児(年長さん)クラス。

火曜日に行ったM保育園のクラスは一人で担当した。
1、てぶくろ
2、くりすますのまえのばん(ターシャ・チューダーの改定新版)
3、おにぎり
(てあそび:もちっこやいて)
4、かさじぞう

今日、金曜日に行ったR保育園は二人で入った。
(てあそび:てはふたつ)
1、てぶくろ
2、(お話)ねずみのすもう
(てあそび:もちっこやいて)
3、ふしぎなナイフ
4、ぐりとぐらのおきゃくさま
(てあそび:さよならあんころもち)

今日は、一緒に行ったSさんがお話(ストーリーテリング)と
司会進行と手遊びを担当してくださった。

てあそび「もっちこやいて」は、どちらの保育園でも大受け。

 もちっこ やいて 
 とっくらきゃーして やいて
 しょうゆを つけて 
 たべたら うまかろうー 

(両手を前に出し、手のひらを下に向けて上下に4回揺らす)
(両手をひっくりかえし、手のひらを上に4回揺らす)
(片手をお皿に、もう片方を餅を持ったつもりで、醤油をつけるふり)
(「食べたら」で手を口に持って行き、餅が伸びるつもりで引っ張り、
(「うまかろう」で両手を頬に、美味くてほっぺが落ちるのを抑えるふり)

一回やった後は、子供達に何のお餅が好きか聞いて、
しょうゆを、きなこにしたり、あんこにしたり、
繰り返しやって楽しんできた。

保育園への絵本の出前は、ボランティアということで謝礼はでないが
かわりに、給食とお茶とお菓子をご馳走になってくる。
子供達と同じメニューで、量は多めで(笑)
野菜たっぷりで、薄味のお料理はとてもおいしい。
どちらの保育園でも自園で給食を作っているという。

子供さんによっては、家で朝ごはんを食べてこなかったり、
忙しくておにぎりをもたせて、園で食べさせてもらったり、
登園の車の中でコンビニおにぎりをたべたり、
食パンをくわえて「おはよう」と来る子がいたり…
という園長先生の話。
「保育園の昼食で栄養を賄っている子もいるんですよ」
両親が働いていると、夕方迎えに来て、
帰宅後、夕ご飯を作って食べさせ て、お風呂に入って…となると、
子供も寝るのが夜遅くになり、朝も早起きができなくて
親も忙しくて朝食を作れなかったり…

ほんとうに、子供を取り巻く現実はきびしい。



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by hidaneko | 2016-12-16 17:35 | ほ ん | Trackback | Comments(0)

「クリスマスのまえのばん」読み比べ(私見)

来月、12月に保育園への絵本の読み聞かせの予定が2件ある。
どちらも5歳児だから、同じプログラムでいいかな、と思ってる。
片方は、お話(ストーリーテリング)のできる方と組んで入るので、それに合わせる必要があると思うが(お話が日本の昔話なら被らないよう、日本の昔話絵本は外すとか)

一冊は「クリスマスのまえのばん」にしたいと思っている。
わたしは、読み聞かせとして、この絵本を読んだことがない。他の人が読むのを聞いたことはあるけれど。
同じクレメント・C・ムーアの詩で、いくつかのバージョンが出ている。評判(評価?)は、さまざまあるようだが、自分で確かめてみたくて、昨日、図書館であるだけの「クリスマスのまえのばん」を借りてきた。5冊。

*「クリスマスのまえのばん」
クレメント・c・ムーア ぶん/わたばべしげお やく/ウィリアム・W・デンスロウ え/福音館書店
奥付ページに、「DENSLOW NIGHT BEFORE CHRISTMAS」1902年を底本としている」とある。日本語訳は1996年初版。
たぶん、これが一番有名というか、古典として「優れた絵本」と言われていると思う。なにしろ福音館書店だし? 
読んでみると、さすが渡辺茂男さん、読みやすい。詩としての韻律も可能限り合わせてる。
だけど、ウィリアム・W・デンスロウ(「オズの魔法使い」の挿絵で有名)が、装飾過剰というか…。色はいいのだ。深いシックな色合いをしてる。アールヌーボー的な図柄もいい。けど、読み聞かせとして使う場合、ストーリーと関係ない絵が左ページの文字の下に入っているのが邪魔なのだ。ストーリーに沿った絵は右ページ。これが聞き手(子ども)の目を紛らわす気がする。中には左右つながっていて一つの絵になっている見開きもあるけれど。
手元で、お膝に乗せた子どもと会話しながら読むのなら、いいけど。不特定多数の子どもたち相手に読むとき、小さな「?」マークがつく。
この絵本の「セントニコラス」は黒い毛皮の縁取りのある濃緑色のコートと帽子を身につけている(サンタの赤い服はコカコーラの陰謀だからね)。ズボンはグレーで黒いレッグウオーマーみたいなの(昔でいうスパッツ?)を履いている。足元はスニーカー?(笑)


*「クリスマスのまえのばんーサンタクロースがやってきたー」
クレメント=ムア 詩/タシャ=チューダー 絵/なかむらたえこ 訳/偕成社
「THE NIGHT BEFORE CHRISTMAS」アメリカでの初版は1975年、日本語訳は1980年初版。
モノクロページとカラーページが混じっている。表紙の次にモノクロの扉、それを開くとカラーの扉。左ページに人形劇を見ている子供達とコーギーと猫の後ろ姿がある、右ページにはタイトルとサンタクロースの顔などが描かれている。「これから始まるお話は人形劇のなかのことなんですよ」と言っているようだ。中の絵は、どれもアーチ型の木の枝のような枠でかこまれている。この構図、形式も「これはお芝居、人形劇ですよ」と言っているようだ。
ページ数は55ページと多いが、絵の下に一行の詩のページとか、文(詩)のないページもあるので、文章量としてはそう多くはない。中村妙子の訳は、七五調でリズミカル、読みやすい。原文をかなり意訳してるところもあるけれど。
この絵本の「サンタクロース」は、現代のイメージの赤い服で赤い帽子をかぶっている。


*「ターシャ・テューダー クリスマスのまえのばん」
詩・クレメント・ムア/訳・中村妙子/偕成社
前出と同じく偕成社・刊。奥付ページに「★この絵本は「クリスマスのまえのばんーサンタクロースがやってきたー」(1980年11月邦訳初版)の絵をターシャ・テューダーが全面的に書き直した新版です。翻訳文については数カ所、加筆・訂正しました」とある。奥付に「発行★1980年11月初版1刷 1997年10月初版13刷 2000年12月改訂版1刷」とある。改訂版のアメリカでの初版は1999年。
文章(詩)は、ほとんど「クリスマスのまえのばんーサンタクロースがやってきたー」と同じ。かなり意訳しているが七五調で読みやすい。その意味で原文の「詩」としての形、意味合いを大切にしていると思う。
絵は、オールカラー。前の絵本がアーチ型で囲まれていたのに対し、こちらは卵形の中に描かれている。卵の外側は星空。サンタクロースが飛んでいるシーンは卵形からはみ出し、スピード感がでている。ターシャ・テューダーのお得意のコーギーや猫がサンタクロースとからんで描かれている。家に入ってきたサンタクロースを出迎えたり、一緒に踊ったり。細かに描かれているぶん、読み聞かせのときに遠目がききにくいかもしれない(少人数なら大丈夫)。
ページ数が少なくなったぶんレイアウトがかわり、1ページに入る文字数がおおくなったりしているので、絵と文とのバランスはいい。
この絵本の「サンタクロース」は、文の「けがわのふく」に合った茶色っぽい毛皮を着ている。


*「THE NIGHT BEFORE CHRISTMAS クリスマスのまえのばん」
詩 クレメント・クラーク・ムーア/絵 リスベート・ツヴェルガー/訳 江國香織/BL出版
アメリカでの初版は2005年、日本での初版は2006年10月。
江國香織の訳というのがウリの一つだと思う。原文にも沿っている感じ。だけど、訳に忠実(?)になるぶん、日本語として、声に出して読むと読みにくい。目で黙読するのならいいのかも? 他の絵本では「お父さん」となっている部分を、原文の主語に忠実に「わたし」と訳しているが、普通に読むと子どもには「わたし」が誰だかわかりにくいかも。
リスベート・ツヴェルガーの絵も、カラーの絵に銀や金も使って、しゃれたレイアウトになっている。若い女性に受けそうな感じ…といったら偏見かな。
原文の詩では「子どももお母さんもお父さんも寝た後、お父さんだけが起き出して、セント・ニコラス(サンタクロース)を見る」という感じだと思うのだけれど、この絵本の絵では、お母さんも起きている。お父さんがこっそり見たことを、子どもたちに語って聞かせる、という意味合いが薄れている。文と絵があっていない部分もある(「ママはスカーフであたまをつつみ、わたしはわたしでぼうしをかぶり」という文なのにママもわたしも被っていない、とか。「ひとこともはっせず、セント・ニコラスはしごとにかかりました。すべてのくつしたがいっぱいになると…」というシーンで、セント・ニコラスがプレゼントと靴下に入れる絵柄ではなくクリスマスツリーに子どもたち(人形?)をぶら下げている絵がついてる等々)。だいたい、この「わたし」の「ひとこともはっせず」なんて口調は、父親が子どもたちに語ってあげる口調じゃないし……。
この絵本の「セント・ニコラス」は、赤い長めのコートを着ている。


*「クリスマスのまえのばん」
さく クレメント・C・ムーア/え ジェシー・W・スミス/やく ごとうみやこ/新世研
知らない出版社。奥付もちゃんとしてない。原書の発行、初版もわからない。日本語訳は2001年初版。
原文と絵はあっている。けれど、和訳が省略のしすぎ、飛躍のしすぎ。絵はシックな色合いでいいけれど、「絵本」なら、原文からもっとイメージを膨らませた絵であって欲しいと思う。
あ、前書きに「本書の出版は1912年」とあった。
この絵本の「サンタクロース」は黒い毛皮を着ている。



さて、こうやってみてきて、読み聞かせに使うならどれか? 迷ってしまう。
BL出版の江國香織訳のと、新世研のごとうみやこ訳のは、つかわないな、わたしなら。
残りの3冊のうちどれか……考えてみよう。



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by hidaneko | 2016-11-22 22:59 | ほ ん | Trackback | Comments(0)