バーさんの入院届けの書類をもって、病院へ行ってきた。
ちょうど、バーさんは病室で心電図を測ってもらっているところだった。
技師さんが
「足、しっかりしてますね。ふつうだとすごく細くて。
これ(手足を挟む器具)を着けるのも難しいくらいなんですが」
栄養状態いいから、やせないのね。体重も50キロあるから。
これは、介護者として、ちょっと自慢してもいいかな。
食べやすいように、でも栄養にも気を配って作ってきたもん。
昨日も、看護師さんに「寝たきりなのに、褥創ないですね」って。
はい、肌の色つやいいのは、みんなに感心されるの。
ちゃんとケアしてますから。これも、ちょっと自慢。
でも、今日のバーさんは、血色悪く、顔色が白薄黄色っぽかった。
ナースステーションに担当医がおいでだったので、容体をきく。
「昨日とった写真を見直しても、肺炎などの影は見えなくて、
インフルエンザなどのウィルス性のものかもしれません。
いま、抗生剤の点滴してますけど、それだと効かないわけで
自然治癒を待つとして、3,4日は掛かるでしょう」
尿の濁りについてうかがうと、
「尿の濁りもそうひどくないし、抗生剤を入れてますから。
まあ、3,4日は様子を見るということで……。
胸部大動脈瘤をもっているので、あまり点滴を多くすると悪いけど、
先ほど見たら、口が渇いていたので、すこし増やしたところです」
「熱についても、昨日は39度台でしたが、38度台から下がってきています。
昨日は熱のせいもあってか、もうろうとしている様でしたが、
今日はだいぶはっきりしていましたよ」
わたしが病室を覗いたときは、うとうと眠っているようだったので、そう言うと、
「今朝は、小さな声でしたが『せんせい、おせわになりまして』と言ってました」
ああ、それならだいじょうぶ。
バーさん、耄碌しているけど、医師の往診の時には
「先生、お忙しいのに、わざわざ来ていただいてすみません。
わたし、げんきですから来ていただかなくてもいいんですよ」
なんて、よく言うので。
Rくんからメール。バーさんの入院を伝えたメールのレス。
「連絡ありがとう。日曜日に見に行きます」って。
ありがとね〜。バーさん、きっと喜ぶわ。
彼が医学部に進むと聞いてから、バーさんのゆめは
「Rくんに脈を取ってもらって、ご臨終です、って言われること」だったから。
末っ子で長男の孫息子、可愛くて仕方ないのよね。