アリさんが帰っていった。
それとも、出かけていった、と言うべき?
家の中が、ちょっとひっそりした。
家の中に、成人女性が一人いるということは、こんなに楽なのかと思った。
さりげないことに、手助けしてもらえる。
汚れたコーヒーカップや、湯飲み茶わんが洗ってある、とか。
止まった洗濯機の中の物が、何も言わなくても干してある、とか。
散らかった新聞紙が片づけてある、とか。
のっぺの里芋の皮を、お願いなしで剥いてもらう、とか。
三が日、アリさんとよく遊びに出かけた。どれも所要時間2,3時間でトンボ帰りだけど。
バーサンの昼寝の隙を見て、元日から日帰り温泉。(片道30分、滞在時間1時間)
2日には、出してなかった年賀状を郵便局で買うついでに、街へ出て初売りを見るとか。
3日には、新しいアパートに置くテーブルを見たいと郊外の家具屋へ。ついでに昼食も。
4日には、彼女のお気に入りの雑貨店で、食器や小物を見て。
そして、今日はバーサンの初ショートステイで留守なのをいいことに、
帰る支度をしたアリさんと、駅に送る前に別の日帰り温泉へ、ゆっくりと寄り道。
本来なら、もう仕事始めのはずなんだけど、けっこう遊んでしまった。
今年は、正月の支度をほとんどしない、手抜きだったので、行事の日程を忘れてしまった。
門松、といっても、当地のは小振りで、
単に若松と、ウラジロ、豆殻(大豆の豆の殻がついた枝)を束ねたもの。
それに白紙を巻いて、紅白の水引、型紙といってお目出度い図柄を切り抜いた紙をぶら下げるの。
それを門口に掲げるのだけれど、いつ外すのか、わすれてしまったの。
歳時記で調べたら、7日まで、掛けておいていいのね。
三が日、松の内、七草、鏡開き、などなど、けっこう行事は好きなんだけど。
クリスマスは、私にとって外から来たもので、子供が小さいときは喜ぶ顔が見たくて
あれこれ、ツリーを飾ったりケーキを焼いたり、サンタのまねしたりしたけど。
喜ぶ人がないと、介護に手を取られ、手間ひま掛ける余裕もなく、過ごしてた。
でも、正月は
私の中にあるもので、誰が喜ばなくても、自分の気が済まないの。
お供えそなえたり、しめ縄を掛け替えたり、門松飾ったり、
ちゃんとした(さ○うの切り餅じゃなく)お餅を食べたり、
新しい年神様をお迎えして、これからの一年がよい年であるように、言祝ぐ。
別に神道じゃないけど、敬虔な仏教徒でもないけど、
子供のころから親がしていることを見ていて、身に付いた年中行事のひとつとして。
だから、今年は、ちょっと、物足りない。
というか、神仏ぬきにして、ごく人間的に楽しんだ正月、とも言えるかな?