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「アフリカの風」

ケニア在住の早川千晶さんの講演とアフリカの音楽の会へ行ってきた。
前の隣市(今は合併して同じ市になったけど)の図書館友の会の企画したもの。

早川さんは、ナイロビのスラム街で、子供たちを支援する活動をしておられる。
ストリートチルドレンのために学校をひらき、給食をだして命をつなぐ手伝いをし、
学ぶ楽しさ、音楽の楽しさを共有している、という。

友の会では、以前から絵本を通じて、支援していたという。
絵本の文章をスワヒリ語や英語に訳し、絵本に貼って、早川さんの学校に送っていた。
その御縁で、昨年から「アフリカの風」という講演と音楽の会を主催したのだ

去年の会では、はてしなく続くトタン屋根のスラム街や、ボール紙で出来た家
学校で学ぶ子供たちの笑顔などの写真を見せてもらった。
ひどい虐待を受け、早川さんに助けられたころは、おどおどして
目を伏せていた女の子が、居場所をもつことで笑顔を見せてくれるの。

今年は、マサイ族の「こども」から「青年(戦士)」「大人」「長老」へと四段階ある
その青年(戦士)から大人へうつる儀式、イニシエーションを見せてもらった。
マサイの男は食べるためには狩りはしない。(日ごろは牛の乳と血を飲んでいるとか)
通過儀礼として力を試すときに、ライオン狩りをするという。
ライオン狩りは、戦士20人くらいのグループでやるという。
ライオンが寝ているところをみつけ、全員で取り囲む。
そうするとライオンだってマサイの勇敢なことを知っているから恐いんだって。
じっとうずくまっているところへ、勇士3人が狩りにかかる。
まず、3人の勇士のうちの一番弱いのが、ライオンのしっぽをつかむ。
ライオンは怒って大きな口を開ける。
そこへ、2番目のが、両端をとがらせた棒をライオンの口に縦に突込む。
ライオンはあわてて口を閉めようとするから、とがった先が口を突き抜ける。
そこへ、最後の、一番の勇士が槍を突き刺しとどめを刺す。
ライオンをしとめて、はじめて青年は戦士を卒業して「大人」になるのだという。

儀式に望む青年達だけでなく、息子を育てあげた母親達のなんと誇らしげなこと。
沢山の写真の男も、女も、大人も子供も、とにかく、笑顔がいい。目がいい。
こんなに、すっきりと、真正面からの笑顔、久しぶりに見た気がした。

そして、音楽。
親指ピアノ・カリンバの単調な、うねるように移り変わるメロディ。
草原の風のような音色の、笛。鉄のパイプにふたつ穴を開けただけの楽器。
そしてまた、鈴をつけた足を踏みならし、体全体で打ち鳴らすはげしいドラム。

最後には会場によびかけ、いっしょに歌い、踊ろうと誘うの。
演奏のバックには早川さんが撮った祭の写真、歌い踊る人達……
我が町の特徴として、ノリが悪いところがあるのだけど、
内面的には、エネルギーを沢山いただいてきたのだった。
音楽だけでなく、草の根で活動する人達、そのつながりの輪などからも。

アフリカ日和
早川 千晶 / 旅行人
ISBN : 494770229X

いただいてきたパンフにURLが載ってました。
「UPEPO アフリカの風ネットワーク」

by hidaneko | 2006-09-23 22:03 | くらし | Trackback | Comments(0)


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