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映画「人生フルーツ」を見てきた

映画を見てきた。

「人生フルーツ」けど英語題名は Life is Fruity


同じようでいて、ちょっと違うな、と思った。

人生果実=人生は実りの結果の果実?

Life is Fruity =人生は果実のようにみずみずしい?

てへ、ちがうか。


前に市民映画館で上映された時に予告編は見ていた。

見ていたけど、本篇は見に行かなかった。

中の良い夫婦の話は、見たくない。

世の中にあっていいけど、私は近寄りたくない、正視したくない。

わたしって、とても妬み深くて、羨ましがりやだから

自分の暮らしと引き比べて惨めになるだけだろうから。

そして、そんな嫉妬深い自分に気付かされるのは嫌だから。


なのに、しつこく勧める友がいる。

映画を勧めるメールと断るメールが、まるでラリーのように行き交った。

夜なのに。


そして今朝、見に行ってきましたわよ。

昨日頑張ったおかげで仕事のめど(まで行かないけど)見えてきたので。


朝一番の市民映画館は中高年で結構いっぱいだった。

ご夫婦連れもかなり見受けられた。ふーん。

私は映画は一人で見る主義だけどね、中高生のころから。


一言で言うと、佳き人たちの佳き生活の映画だった。以上。






団地のはずれに、雑木林に囲まれた住宅がある。
そこが、この映画の舞台。建築家、津端修一・英子夫妻の家だ。

風が吹けば 枯葉が落ちる。
枯葉が落ちれば、土が肥える。
土が肥えれば、果実が実る。
こつこつ、ゆっくり。
人生、フルーツ。


割合始めの方で、二人の馴れ初めが語られる。
片や東大のヨット部の主将。
片や、200年続く老舗の酒蔵の一人娘。
ヨット部の合宿を酒蔵の建物を借りてやった、と。
はぁ〜、ここで、これは、わたしにとって「おとぎばなし」だと思った。
いいところの出じゃん。

夫は、海軍の戦闘機の設計をやり、戦後は住宅公団のいいところへ。
妻は、月給4万円のとき、夫の趣味のヨットが70万円でも買うことに反対しない。
質屋通いもあったというが、苦労は苦労じゃないだろう、と思った。
夫唱婦随の、佳き夫婦。

はい。「おとぎばなし」だから、遠いところの話。嫉妬もしない。
お二人の人柄も、佳い。
何十種類もの野菜を育て、土を肥やし、果実を育てる。
夫婦とも働き者だ。そこはちょっと羨ましいかな。
障子を、ね。夫が紙をはがして、妻が貼るんだって。
(我が亡父は「紙をはがしておいたら、俺が会社から帰って貼る」と言ったとか。
「紙をはがすのが一番大変なのに」と亡母が夫の身勝手を嘆いていたっけ。
 我が家、障子の紙をはがすのも、貼るのも、わ・た・し)
働き者の夫をもつ妻が羨ましい。

梅干しを作り、アジの干物を作り、ジャムやママレードを煮る。
わたしもしてたも〜ん、ジャムはもう食べないから煮ないけど。
「な〜んて、何言ってんだよ、自分」と映画を見ながら
自分にツッコミを入れているひだねこ。

夫が孫にシルバニアファミリーの家を作ってやる。
なにしろ本業が建築士だから、お手の物。
私も子供たちにシルバニアファミリーの家を作ってやったことを思い出した。
既製品のプラスチックも嫌だったし、なにしろ高くて買えなかったからね。
不細工だけど、屋根も取れて2階もあって、ベッドもテーブルも椅子も作った。
子供達は紙粘土でパイやソーセージなどを作っていたっけ。

この映画のご夫婦のやってきた生活は、私がやりたかったこととかなり重なる。
規模的にも質的にも、遠く及ばないけどね。

このご夫婦にも、試練の時やご苦労もあったことと思う。
そういうことは人生にはつきものだから。
幸せそうに見えてもご苦労は、外からではわからない?
でも「おとぎばなし」だから映画では苦労は強くは描かれていない。

夫は90歳だって。
妻は87歳だって。
穏やかな日々の描写がつづくけど、
見ている私は「それでも、最後は介護が付いてくるのよね」と思う。
「90歳でお元気に動いて畑仕事もしてるけど、いつ寝込むかわからないわ」
だけど、夫・修一さんは穏やかな最期。
畑仕事をしていて、昼寝に入って、そのまま永眠したって。
なんと幸せな夫、なんと幸せな妻。

だが・・・と意地の悪いひだねこは思う。
この後が大変だろうな、と。
90歳の夫は脚立に上がって果実をもいだり、剪定したりしてた。
夫亡き後、夫唱婦随の妻はどうするのか。
映画では、孫の話題は出てきたけど、子についてはあまり語られてなかった。
この老夫婦の生き方、自然を大切にし、自然に溶け込むスローライフを
子が受け継ぐか、孫が受け継ぐか。
せっかく肥やした土地も、後を継ぐものがいるのか、荒れるのか。

佳き人たちの、佳き生活。
「おとぎばなし」としてみれば、佳きかな、佳きかな。

でも、現実は現実として、そのすぐ隣にあるのよね〜。
と、根性悪な、ひだまりねこであります。

あと、ナレーターの樹木希林さんの声が、
なんとなく、艶がなくなったようで、少し悲しかった。
あの方も、癌をのりこえて生きている、憧れの人ではあります。

by hidaneko | 2018-02-26 19:41 | みきき | Trackback | Comments(0)


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