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録画されたバリバラを見てて・・・

昨日、1月19日(金曜日)は月一回のクリニック受診の日だった。
だけど、前々日の水曜日から、わたしは行きたくなかった。行くことを思うと億劫だった。
「これって、もう治ってきて、体が行かなくていいと思っているからじゃないかしら?」とモグに行ったら
「それって、行きたくないくらい、疲れているんじゃない?」と言われてしまった。
「Gサンが死ぬまで、(受診をやめるのは)無理なんじゃない?」とも。

そのことを、クリニックのT先生に伝えた。
「死ぬまで、とは言いませんが。まだ薬は必要でしょう?
「心で納得していないんじゃないですか? 頭では分かっていても、心で理解していないというか」
確かにそうかもしれない。頭では「Gサンは自閉スペクトラム症、だから定型発達とは違うんだ」と分かっていても、生活の中のあれこれで、指先のささくれのように、心がささくれて削られていく感じがするもの。

今日の午後、モグが録画してくれていたEテレの「バリバラ」をようやく見た。
「就労支援についてだっていうから、録画しておくよ」と言っていたものだ。

障害者が社会(会社等)で働く上でのトラブル事例をコントで紹介して、会場の1500人に問う形の番組。あとで専門家ならどれを選ぶか、その理由を説明していた。
中で、ハッとしたのが発達障害の事例。





中で、ハッとしたのが発達障害の事例。
発達障害のある山本さんは、曖昧な表現が苦手。ある日、外で仕事の待ち合わせをする際、上司は「明日午前9時までに現地に来てください」と伝えた。山本さんに「電車とバス、どっちで行けばいいですか?」と聞かれ、「都合のいい方でよいですよ」と言ったところ、山本さんは悩んでしまい、結局、仕事の現場に来ることができなかった。アナタが上司なら、どう伝えれば良かった?
上司は「バスでも電車でもどっちでもいいから、とにかく遅刻しないように」と言っていた。そして、山本さんは、交通手段を迷い、結局行かなかった
専門家が、これについて「発達障害の人は言葉通りに受け取る」として、「遅刻はしなかったのです。来なかったけれど」と言っていた。また、曖昧表現が苦手なので「都合のいい方」ではなく、具体的に「バスで」とか「電車で」とはっきりさせるといい。「9時までに」というのも、「7時でも9時までだし…」「9時までというのも8時59分なのか9時0分なのかも迷うのです。8時50分と伝えないといけないのです」

これを見ていて、わたし、思い出したことがある。
もうずいぶん前になるけれど、Gサンが単身赴任(出稼ぎ)に行っていて、月に1回くらい帰ってくることがあった。子供たちもまだ小さくて、父親が帰って来たら一緒に遊んだりしよう、とわたしは思っていた。
そんなとき金曜日の夜に帰宅していて土曜日の朝、出かける様子のGサンに「どこへ行くの?」と聞いたら「車のところ」と答えていた。わたしは「洗車したりして家族でドライブに出かける準備をしてるのかな、そうなら手伝おう」と思って借りている駐車場へ行ってみると……車がなかった。

確かに、文字通り「Gサンは車のところにいる」のだ。問題は、その車がどこにあるのか、なんだけど……。
そんなことが、何度もあった。「どちらへ?」「車のところ」で、駐車場へ行くと車もなくGもいない。
これは、わたしが、Gサンのことを「発達障害みたい」「自閉スペクロラム症らしい」と知る、ずっとずっと前のことなんだ。

このことを、「バリバラ」を見てて、フラッシュバックのように思い出した。
あのころ、「洗車してガソリンを満タンにしておけば、Gサンが出かけようと思ったとき、家族ですぐに出かけられるわ」とわたしは考え、Gサンが帰って来る週には、ひだねこが洗車しガソリン満タンにして、準部万端整えていたのだけれど……ふと、知らない間に父親は消え夜遅くに帰って来る、妻子は家に取り残され、父親なしで楽しむ術(すべ)を身につけて行ったのだ……。

時間に関して、発達障害の人は曖昧なのもダメだし、「○○時まで」と言われて、「そこへ行くのに何十分かかるから、そのためには何時にでかけなくてはいけなくて、支度に何分かかるから、何時に起きなくてはいけない」という計算ができないと聞いた。
(モグは逆で、その計算ができないと不安なのだ。だから目的の時間に遅刻しないように○○しなくてはと、早手回しにしないと気が済まず、そのため「起きられるか不安」「起きられないと困るから寝ない」という結論に達することもしばしば。眠らなくて体調不良となり、目的が達せられないこともあった)

閑話休題。Gサンに話を戻す。
介護中、わたしが用事ででかけて、バーサンのデイサービスのお迎えの時間に間に合わないことがあるとき、Gサンにお迎えを頼んだ。施設の車で玄関先まで送られてくるバーサンを受け取って、ベッドに寝かせるのが仕事だ。
「4時にお帰りになります。でも、道路事情で3時半過ぎから4時過ぎになることもあるので、その時間に待機していてください」とGサンに伝える。
わたしが、用事を済ませたあと、急いで帰ると、ちょうど玄関に介護の車が来ている、そしてGサンは家に居ない(別棟の隠居所にいた)。
バーサンをわたしが受けとり、ベッドに寝かしつけ、オムツを替えて、水分補給をしてると……Gサンがやってきて、「おかえりなさい」とバーサンに言う。
……こんなことが、一度や二度じゃない。何度もあった。
「おとうさんって、肝心なときにいなくて、必ずタイミングよく、終わってからくるよね」とモグもしょっちゅう言っていた。
「バーサンは4時にお帰り、だから自分は母屋に3時半に居て待機してなくてはいけない」という考えがないのだ」ということに気がついたのは、Gがアスペト分かってからのこと。それまでは「なんなんだ? この人は」と思っていた。

分かっていても許せない、納得いかない、心が落ち着かない。
体と頭と心と・・・・同じ自分なのに別々なのかな

by hidaneko | 2018-01-20 19:23 | かいご | Trackback | Comments(0)


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