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介護について

バーサンを看取って5年になる。
もう5年か〜。あっという間の気もするけど・・・

最近、友達や知り合いで介護生活に入る人が出てきている。
わたしの場合は、身近にそういう経験者もなく、手探りだった。
時流(?)より、数年早かった気もする。その差異。

介護は、ご本人の状態はもとより家族によって違うし一概に言えない。

Aさんは、夫の故郷にいた義母さまを引き取って同居を始めたけれど
まもなく認知症になって、火の元など危ないので施設に入れた、と言っていた。
彼女もパートで仕事を持っていたから、
常に義母さまを見張っていることはできないから。

Bさんは、ご自分の実母さまと離れて暮らしていたけれど、
一人暮らしが無理になってきて、同居しようか迷っていた時
実母さまが認知症になって、一人暮らしが無理になり
どうするのが良いか考えに考え、施設にも何箇所も見学に行って
ある施設に入所ということになった。
けれど、一日置きに、顔を見にいっているという。
「洗濯物もあるし……」と彼女はいうけど、わたしにはできないな、と思った。

また、Cさんは、お父上が認知症になられた、と最近知った。
たぶん、彼女は抱えていたのだろうけれど、多くは語らなかったから
ひょっとしたら、かなり前から「認知症では?」と悩んでいたのかも。
まだ認知症とわかったばかりのようだから、これからが大変だと思う。

わたしの場合は、デイサービスやショートステイなどを利用しながら
バーサンを在宅で看取った。別に愛情が深かったわけじゃない。
施設の入所を考えなかったわけじゃない。
でも有料老人ホームは月20万円するとかで、経済的に無理だった。
特別養護老人ホームは順番待ちの長い列とケアマネさんに言われた。
そう長くは生きないだろう、と思って繋いでいるうちに……思ったより生きたなあ。


介護は、なり始めの時が一番大変だと思う。
それまで元気だったのが、急に(あるいは徐々に?)手助けが必要となる。
それを、ご本人は受け入れがたい。「わたしは自分でまだできる」と思う。
介護する方も、親や連れ合いの老いぼれていくのは認めたくない。
あるいは、現実を受け入れないご本人に腹立たしくなる。
「……自分ではまともなつもりでも、現実はこれこれなんだから、わかってよ!」と。

あのころ、自分に繰り返していたこと。
「怒っちゃダメ、泣いちゃダメ、すねちゃダメ」
「一番辛いのは本人なんだから……」
つい、忘れがちになるから、常に心の中で繰り返していた。

相手は、おいぼれてきてるんだから、怒ってもダメ。
怒っても、相手は意固地になるだけだから、怒っちゃダメ。

泣いちゃダメ。泣いても、周囲(家族)は引いていくだけ、
わたしに寄りつかなくなるだけだし、泣いても問題は解決しない。
でも、解決しないだけに、泣いていたなあ、独りで泣いてた。

拗ねちゃダメ。
「なんで、わたしだけ?」と、つい思うけど
「あの人たちはいいなあ」と、拗ねたくなるけど、
介護をすると決めたのは自分。その道を選んだのは自分。
  「やったことは やりたかったこと
   やらなかったことは やりたくなかったこと」 by 工藤直子
これが、わたしのお守り言葉だった。

>「一番辛いのは本人なんだから……」
わかってる、わかってるけどね……
だけど、ご本人に機嫌よく居てもらうと、介護が楽になる。
不機嫌なイライラした年寄りの相手をするのは、とてもつらいからね。
こっちも、つっけんどんになるし、相手はなお機嫌を損ねる。悪循環。
相手がにこにこだと、こっちも介護がしやすいんだ。
だから、快適に過ごしてもらえるよう、心を配るだけ。

だけど、これを、娘モグにも求めることはしなかった。
彼女には、彼女の体調があるし、彼女が元気でいることは、こっちも楽になることだから。
ほんとは……もっと手伝ってくれたらいいのに、と思うこともあったけど。
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介護について、体験談をまとめたいと思いつつ、できないでいる。
辛い時代を思い出すことを、わたしの心がどこかで拒否してるのかな。
失われていく樹木については、日々書けたのに。
もう、何年も、書きかけては止めている。
もう一度、書くことにチャレンジしてみようかな。




by hidaneko | 2017-07-27 22:22 | かいご | Trackback | Comments(0)


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