山茶花(サザンカ・緋の司)

この木も切るのが惜しかった木だ。
この木は、モグの木なのだ。

子供が生まれた時、記念の木を植えようと思った。誕生日の頃、花の咲く木がいいな、と思った。
アリさんは3月生まれだから、椿を選んだ。それまで家にあった椿は古い品種ヤブツバキの一重の赤。だから八重のピンク、芯の方が濃い目で縁が薄いピンク。「四海波」という品種だった。
あとで知ったのだが、この「四海波」は、謡曲のフレーズにあるという。謡曲を習っていた亡母のお気に入りになった。

もう一本の椿は、R君が生まれた4月に買ってきた。神社の春祭りの植木市で。こちらは白い八重椿「窓の月」という品種だったけれど、白い花に紅の筋が混じる花が咲くようになり、白と白に赤い筋、さらには枝変わりで紅色の花も咲くようになって、何が何やらの状態。まあ、あの子は生まれてすぐの血液検査ではB型だったのに、学生時代に検査したらAB型だったというから、白の花が赤くなっても驚くには値しないのかも。

そして、モグの山茶花。これも彼女の生まれた11月には花が咲くように選んだもの。それまで家にあった山茶花が薄いピンクの一重だったから、緋色を選んだ。
アリさんとR君の椿が植えてあるのは奥の庭だけど、山茶花は日当たりの良いところに植えてやりたくて、通路脇を選んだ。そこは、わたしの仕事部屋の真ん前。山茶花はけっこう高くなる樹木だけれど、剪定が入って丸く刈り込まれていた。そして、11月には緋色の花をたくさんつけたの。過去形。
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黄葉しかけた木蓮と、わたしの背丈ほどの高さに剪定された山茶花「緋の司」
(2016年11月)

今回の工事でこの木を切らなくてならなくなった時、根回しして移植することも考えたけれど、けっこう樹齢も重ね、根が広く張っていて、移植は断念した。
「だったら、また新しい木を植えたらいいんじゃないの?」と言ってくれた友の言葉が、心の支えになった。そう新しい記念樹を植えたらいい。

だけど…
11月、蕾をたくさんつけた山茶花を切り倒されるのが惜しくて、悲しくて、蕾が赤く膨らんできている枝をえらんで、大きな枝を切ってきた。大枝を生ける大きな花器ががないからバケツに突っ込んで、日当たりのいい部屋においた。いま、咲き始めている。

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元の木は、もうない……

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by hidaneko | 2016-12-04 20:04 | 草木への思い | Trackback | Comments(0)
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