木槿(ムクゲ)

木槿というと、芭蕉のこの句を思い出す。
「道のべの木槿は馬に食はれけり」

うちにあったのは薄いピンクで芯の方が紅い花だった。
馬が食べたのは、花なのか、葉も食べたのか?
木槿の葉はざらついて乾いている感じで、似たような花をつける芙蓉のすべすべした大きな葉と違いが有る。あんなの口当たりの悪そうなのを馬が食べるかなあ、といつもわたしは思ってしまうのだ。やっぱり、この句では花を食べたのか。もしゃもしゃと花を食む馬の分厚い唇を想像してみる。丈夫そうな歯で咀嚼されたのは、白い花だったか、桃色の花だったのか。わたしには、どうもイメージできないのだが。

木槿はまた、韓国の国花とか。
昔のラジオドラマで韓国の人を扱ったものだったと思うけれど、「にあんちゃん」? 記憶に定かではないのだが、主題歌にあったと思ったけれど、ムクゲは出てこなかった。

 ふるさと知らないわたしでも 
 長い裾にはホウセンカ、襟に挟んだナスの花
 オシロイバナの緋もつけて
 らんぶりん たんぶりん らんぶりん たんぶりん
 ふるさと知らないわたしでも 霧のうすぎぬ髪飾り〜

うろ覚えの歌である。

ムクゲはまた、夏の茶花としても定番らしい。1日花の儚さが茶道でいう「一期一会」精神にあっているのかもしれない。石州流の茶道を習っていた母にとっては大切な花だったのだろうと思うけれど、この花、アリがつくのだ。花の時期、木槿の白っぽい幹をアリが行列を作って登っていく。黒い点々の行列。
たまに風流心を起こして、花を切って生けようと思っても、花の中、芯の根元にアリが何匹も入っているのを見ると、ついためらってしまうわたしだった。

ひょろ松の根元に生えていたせいか、板塀で日がよく当たらなかったせいか、こんもりとは茂らず、これもヒョロのムクゲだった。

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by hidaneko | 2016-12-03 20:19 | 草木への思い | Trackback | Comments(0)
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