後藤健二さんのこと

「危ないのを承知で行ったのだから自己責任だ」とか
「そんな危ないところへ行かなければいいのに」とか
など言う声も聞こえるけれど……

もと、どこかの国の大統領の第何夫人だったひとは
「人質になるなんて迷惑だから自決すればいい」
と、言ったとか……(また聞きですけどね)

でも、後藤さんのような方々がいらっしゃるから
わたしたちは、遠い国のことを知ることができるのでしょ。

新聞社や報道関係の会社は、危ないところへ
自分の会社の社員を派遣したがらないって。
それでフリージャーナリストが重宝がられるんだって……。



……………

東京新聞より

後藤さんの志 私たちが

2015年2月3日 朝刊

 フリージャーナリスト後藤健二さん(47)の志を継ぎたい-。日本人二人の殺害が伝えられた人質事件で、過激派組織「イスラム国」を名乗るグループは今後も日本人を殺害すると警告している。中東で人道支援や取材活動を続けてきた日本の関係者らは、衝撃を受けながらも、安全確保を前提に、活動継続への思いを強くしている。 (鷲野史彦、土門哲雄)

◆支える 人道援助「足踏みしない」
 「治安状況が悪くなり、難民が増えているからこそ、支援を続ける必要がある」。国際医療団体「国境なき医師団」日本事務局(東京都新宿区)の舘(たち)俊平さん(45)は話す。医師団は、内戦で難民が急増するシリア国内やイラクなどで医療活動をし、日本人の医師や看護師らも参加している。

 昨年一月にはシリア北部で、外国人スタッフ五人が武装勢力に拘束される事件が発生。五月までに全員が解放されたが、テロの危険は付きまとう。今回の事件を受け、同じ移動ルートを使わないなどの対策をあらためて確認したという。

 舘さんは昨年八月、後藤さんから、エボラ出血熱が発生した西アフリカで医療活動を取材したいと依頼を受けた。直後に湯川遥菜(はるな)さん(42)が拘束されたと分かったため、実現しなかったが、後藤さんは「落ち着いたら取材をしたい」と意欲を語っていたという。舘さんは「心を同じくした人を失うのは大きな損失だが、われわれが活動を続けなければ」と話した。

 イラクやヨルダンで医療品や物資の支援をするNPO法人「日本イラク医療支援ネットワーク」(豊島区)の事務局長佐藤真紀さん(53)は、後藤さんと十年以上の交流があった。

 「事件は精神的にショック。『イスラム国』が日本人への敵対心を表面化させたことで、日本人の人質ビジネスが横行していく危険性もある」と受け止める。だが「一番問題なのは、アラブ社会全体が日本に敵対心を持っていると勘違いし、無関心になること。後藤さんの志を継ぐには、足踏みできない」と言う。

 トルコで避難生活をするシリア難民らの生活支援に取り組むNPO法人「難民を助ける会」(品川区)の事務局長堀江良彰(よしてる)さん(46)も、後藤さんと十五年前に知り合い、情報交換をしてきた。

 今回の事件を受け、トルコ南東部のシリア国境付近で、外務省の「退避勧告」が出されたため、現地の日本人スタッフには国境付近に入らないよう伝えた。今後はトルコ人スタッフを通じてタオルや毛布などの配布を続ける予定だ。

 堀江さんは「後藤さんが話していたように、戦争で傷つくのが子どもたち。安全を考えながら、できることをやっていきたい」と誓った。

◆伝える 記者仲間 戦場取材へ思い
 後藤健二さんを知るジャーナリスト仲間は、精力的な仕事ぶりを惜しむとともに、危険と隣り合わせの戦場に向かう意味をかみしめている。
 「後藤さんの志は立派だけど、どこかで判断を間違えたのかなあ…。死んだら終わり。引き返す勇気も大事なんだよ」。フォトジャーナリストの橋本昇さんは、殺害されたとみられる後藤さんを惜しんだ。

 二〇〇一年、アフガニスタンの過激派組織「タリバン」の取材を目指す駆け出しの後藤さんと出会った。戦場ジャーナリストにしては色白で線が細く「こんな仕事をしていたら、いつかひどい目に遭うんじゃないですかね」と漏らしていたのが印象的だったという。

 「優しい平和主義者。兵隊の側ではなく、日常生活を奪われた民衆の側を取材していた」と仕事ぶりを振り返る。

 後藤さんと面識があったジャーナリスト綿井健陽(たけはる)さん(43)は一日朝、「殺害」のニュースにぼうぜんとし、しばらくは何も考えられなかった。事件発覚後、アラビア語で声明を出すなど、ジャーナリスト仲間で非暴力の解決を求めてきたが、かなわなかった。

 「ジャーナリストは、声を出せない人たちの代弁者だ」と言う。後藤さんは近年、シリア北部に精力的に入り、紛争から逃れてきた難民や医療支援活動などをリポートしていた。「どうか、後藤さんを英雄視しないでほしい。彼が伝えようとした多くの民衆の死を想像してほしい」と語る。

 「これが人間のできることか。ご家族の心を思うといたたまれない」。シリア取材中の銃撃戦で二〇一二年、公私のパートナーだった山本美香さん=当時(45)=を亡くした独立系通信社「ジャパンプレス」代表の佐藤和孝さん(58)は絶句した。

 「『イスラム国』のような独裁的に地域を統治する組織にとって、戦争犯罪をあぶり出すジャーナリストは敵になる」と考える。

 それでも取材をためらうことはない。「僕たちは現場で犯罪の目撃者を求めている。死にたくないし、けがもしたくない。でも、住民虐殺など闇に葬られていく戦争の不条理を、伝えることで少しでも止められればと思っているんです」 (安藤恭子)
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by hidaneko | 2015-02-04 14:48 | Trackback | Comments(0)
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