家で看とるということ

夜あまり眠れず、でも昼寝をしそびれて、
夕食後、ニュースを見ながらつい、うとうと…と
しかけたところで、今日のクローズアップ現代、
「もう病院で死ねない ~医療費抑制の波紋~」
入院日数が減らされ自宅で看とるケースが増えている、という放送に、目がパッチリ覚めた。
団塊世代の高齢化が始まった日本。現在、死亡する人の数は年間120万人だが、18年後の2030年には160万人へと急増。「多死」の時代が到来する。
こうした中、国は「社会保障と税の一体改革」で「施設から在宅へ」という方針を加速させた。平均在院日数を減らし、在宅医療を推進することで、医療・介護費を抑制しようというのだ。
しかしNHKの取材で、介護をしてくれる家族のいない一人暮らしや夫婦二人暮らしの高齢者までも、自宅へ戻されていることがわかった。そこには公的な介護サービスも十分に受けられず、自宅で悲惨な最期を迎えなくてはならないという厳しい現実がある。番組では苦悩する医療現場と高齢者に密着取材し、超高齢社会の中での新たな課題に迫る。

クローズアップ現代のスタッフの部屋より
2012年05月29日 (火)
「もう病院では死ねない」とはどういうことなのか?
団塊世代の高齢化が始まり、今後ますます増えると予想される医療費をどう抑えるか、は大きなテーマです。医療費を抑えるということは、病院での患者の入院期間を短くするということにもつながっているようです。国が打ち出す「施設から在宅へ」の大方針のなかで、一人暮らしのお年寄りなど、
自宅へ戻すことが難しい人々が増えているといいます。
究極的には、どのような最期を迎えるのか、迎えさせるのか。番組では「看取り」をどのように支えていくか、が課題としています。

いつの間にか、人は病院で亡くなるのが当たり前になってきましたが、これからは、自分の死に場所として、病院ではなく、自宅などの場所を考える必要があり、また社会としても、「死」について、受け入れていくことが大切なようです。

それにしても、この問題、誰にもでも関係してくる問題で、とても難しいですね。
みなさんは、この番組を見てどんな感想をお持ちになるでしょうか?
ご意見を「スタッフの部屋」コメント欄にお寄せください。

たまたま、わたしは、バーサンを家で看取った。その初七日の日に、この番組。
わたしはこれまで14年余、介護をやりながらも、バーサンの最期がどんなふうだろうかと考えたりもしていたのだけれど、家で看とるイメージはなかったの。正直言って。何かの容体の悪化で入院し、そこで「ご臨終です」となると想ってた。よよと泣き崩れて「バーサン」となると……なんとなくイメージしていた。その方が楽だもの。最期の最後を人に委ねる。プロに委ねる。そう想っていたのだ。

最期を看とる(看病する)技術のこと、精神的な覚悟、自分にはないと思っていたから。
「介護はするけど、膝で看取ろうとは思っていない」と公言もしていた。
だけど……、先月の誤嚥性肺炎での入院で「経管での退院を前提に」という治療方針を示された。「この治療方針が受入れられなければ、すぐにお帰りください」と言われ悩んだ。すごく悩んだ。経管栄養をわたしの腕・技術で続けていけるのか、管をいつ抜くか、それはバーサンの死を意味する訳で……、人の命がわたしの肩にのしかかるようで、へたばりそうだった。
実際には、息子の提案で家族会議をひらき、わたし一人の決定という重圧から解放されたのだけれど。経管のやり方も習い、痰の引き方も習って器具も借り、地域のかかりつけ医の先生の毎日の往診、訪問看護師さんたちの応援など万全の体制を整えての退院だったけれど、内心不安だった。退院から看取りまで、結果として十日間だったわけだけど。こちらの命を削るような思いだった。腹くくっていたけど、でも、こわかった。苦しんでいる家族を看るのはつらいもの。バーサンが荒い呼吸をしていたり、20〜30秒も呼吸が止まるようになった時「在宅では酸素(吸入の設備)がないんですよね」と医師に言われた。病院なら酸素吸入して呼吸を楽にしてあげられたと思う。

家での看取りを美談にはして欲しくないと思う。
本人や家族にすごいストレスを掛けることだもの。わたし、まだ(バーサンの年齢に比して)若いからやれたけど。ネットでの検索や、ネットでの友人が精神的に支えてくれたからやれたけど……。

医療費を削減するために、病人を病院から追い出し、家での看取りを選択せざるをえないようにするって、違うと思う。放送では75歳の認知症の妻を看とる69歳の夫の例が取り上げられていたけど、70代ってまだ若いと思う。むやみと無理な延命をとは言わない。ほんとに治療の余地が無いのから仕方ないと思う。でも単純に年齢での足切りって悲しい。
家での看取りをやるにしても「家族に丸投げ」ではなくて、社会としてサポートするシステムが必要だと思う。





追記:2012年5月30日(水)
ツイッターで、昨日の番組のまとめがリンクされていた。
こちら(http://togetter.com/li/312164)
読めば読むほど、医療の貧困を感じる。
>この病院では入院直後から、患者を早く退院させることを検討します。そこまで力を入れる背景にあるのが、国の医療制度改革です。国は病院が長期入院患者を抱えるほど、受け取る診療報酬を少なくしています。
>さらに退院後の受け入れ先も見つからなくなっています。受け皿となってきた病院でも、国がベッド数を削減しているからです。費用の安い老人ホームなど、公的な介護施設の数も不足したままです。病院に残された選択肢は、患者を自宅に帰すことしかありません。
>自己負担…毎月20万円(地方によっては15万円)のお金を支払えるのであれば次の転院先もしくは老人ホームや高齢者住宅といった選択肢がありまして。
>どうしても在宅に戻れない人はカードがいくつかあるんですけれども。そのお金が払えない人がやむなく在宅に戻ってしまうという、今回の医療・介護の政策になっているといえると思います。
>在宅介護はどうしても家族への依存や本人の強い意志にもとづいているので、実はなかなかハードルが高いといえるところもあります。なんとか介護生活を終えたとしても、その先にはどうしても看取りという問題があります。
>入院ができないから家にいざるをえない、家で最期を迎えざるをえない。決してきれいな言葉ではない、在宅医療がそこにはあるのかなと。

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by hidaneko | 2012-05-29 21:42 | かいご | Trackback | Comments(2)
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Commented by リバー at 2012-05-30 22:04 x
私もこの番組を見ました。
深く考えさせられました。
一人暮らしの方が、満足に日常生活を送れないのに
退院させられる、という現実はなんとも悲しいです。

介護を家庭に戻す(?)というようなこと
・・・いろいろ書いては消し、消しては書いていますが
まとまりません。

私自身、介護される立場になっていないのでその点はわからないけれど
介護する側としては・・・相当のストレス
その介護している期間の私の時間、健康って どこへ???

(まとまらないのに 書き込みしてごめんなさい)
Commented by hidaneko at 2012-05-31 22:39
>リバーさん

わたしも、まとまらないまま書いていました。
いまも、まとまらないままですが…。

一人暮らしの場合とか、老老介護の場合とか、若い介護者でもフルタイムの仕事を持っている場合とか、それぞれ違ってくると思いますが「家で最期を迎える」「家で看とる」ということは、そう簡単ではないと思いました。

かといって、わたし、過ぎる医療を求めている訳ではありません。例えば、認知症で寝たきりで、口から食べられなくなり胃ろうにされて、介護者も疲れ果てている…ということも聞いたことがあります。(この場合、胃ろうは必要だったのか、とか…)

やはり、考えがまとまりませんが……

>介護する側としては・・・相当のストレス
>その介護している期間の私の時間、健康って どこへ???

わたし、バーサンが「経管で退院を目標に」と言われた時、腹を括るしかなかったです。そして、只今リハビリ中です。(^^ゞ


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