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・口蹄疫のことから・

「知らないということは、それ自体が罪だ」といったのは誰だったろう。
知らない・知らされていない(?)=無関心につながる、のかな?


口蹄疫について、テレビや新聞で報道されているけれど
どうもわたしは、他人事のように感じていた。
有名な種牛も屠殺処分になったと聞き、
宮崎だけにとどまらず全国の畜産業者に影響が…と聞いても、
まだ、遠い話がした。ごめんなさい。

いつも覗きにいくブログ「農家の嫁の事件簿 +(ぷらす)」で口蹄疫のことに触れられ
お友達のやっているmixiにリンクがはられていた。
そこへ行ってみたら、いろいろと詳しく載っていて、
さらに、そこで下記のサイトが紹介されていた。

現場の養豚場の息子さんからの、胸を突くメールが載っていたのだ。

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「47トピックス」から…
【口蹄疫】 宮崎県の養豚場からのメール報告(1)
「早く埋めてくれ、ウィルスがいるから」 殺処分しても埋設せず放置の農場も…

【口蹄疫】 宮崎県の養豚場からのメール報告(2)
驚愕! 獣医師不足でなかなか殺処分が進まないでいる

【口蹄疫=養豚場からの投稿(3)】
現場に居るまさに目の前で起こっている事をみなさまに伝えなくては いけないのではないかと思う毎日であります


【口蹄疫=養豚場からの投稿(4)】

幅6m、深4m、長約40mの巨大な穴…ここに家畜を埋却するんだなと思うとやりきれない気持ちでいっぱいです

【口蹄疫=養豚場からの投稿(5)】
殺処分が始まりました。上手く言葉が出てきません、悲惨です

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たしかに、中央からの報道と、地元の温度差はあるだろう。
けれど、これほどまでに悲惨だとは、わたし、知らなかった。

蔓延を防ぐために殺処分をする、というのは、仕方のないことなのだろ。
ただ、そのための対策が間に合わず、
我が子のように育ててきた牛や水牛、豚たちが、目の前で苦しみ、
その苦しみを見ながらどうしようもない畜産農家の人たちの
苦しみ、悔しさ、もどかしさは、いかばかりだろう。

関係する県、国の対策が早急に行われ、
できるだけ早く口蹄疫が終息することを祈っています






こう書いてきて……
これって、他の事柄、たとえば原発や拉致問題がある地方のこと、
その当事者には重要でも、他の地方の人には「無関係」というか
意識にも登らないことに似ているかも……と思ってしまった。
沖縄の基地問題やもろもろ、現状を知らないでいること、多いなわたし。

確かに総て知るなんてできない、
安易な関心は、単なる同情にすぎないのか……な、とも思ったりして

それでも、ケシ粒ほどの関心や理解でも、ないよりマシ?





人間って、というか、少なくともわたしは、
具体的な描写をされると、ようやく分かるところがあるようだ。
心情に訴える、というか、胸にストンと落ちると言うか。

(1)より
口蹄疫1例目発生から、神経をとがらせて、消毒の徹底、そして外部からの人の出入り、また買い物などを極力控えて、家の敷地内にはいる前にはかならず車両は消毒して、人も消毒薬が目に入らないように息を止めて消毒していましたが、それでも、防げませんでした。
父は、「口蹄疫が出たショックより、すこし楽になった、、、」と今まで全神経をとがらせて消毒をしてきた苦労から解放される事に悲しみの顔をしながらポツリと言いました。

なぜ、ここまで拡大しなくてはいけなかったのでしょうか?対策は十分だったのでしょうか?ニュースや新聞を見ても、県の対策は完璧であり、国際的にも間違った手法ではないと報道されています。
そうなると、国際的にここまで感染が拡大して農家やそれに携わる人や企業に多大な被害を被るのが正しい手法なのでしょうか?

(2)より
>我が家では、日に日に口蹄疫の症状をだす豚が増えてきてます。足の蹄の付け根から血を流し痛さに鳴く母豚、蹄が根本からただれ落ちて生爪状態になって痛くて立てない肥育豚
鼻の周りには水泡だらけになり、それが潰れて血が流れながらも、空腹にたえられず餌を体を震わせながら食べ様、また生まれたばかりの子豚が突然死していく様をみるのは正直辛いです。

口蹄疫が発症してからというもの、父は今まで抑えていた餌の量を以前の量に戻して、「殺処分されるのは分かってる、でも最後までおいしい餌をおなか一杯食べさせてあげたい」と
やはり悲しげな顔でやり続けています。

(3)より
5/10、初めて農林水産省大臣が県に訪れ、宮崎市内のホテルにて生産者団体との会談が行われました。
その中で、埋設場所がなく、国有林を提供していただきたいとの意見が出た時に、大臣の返答が
「国有林に埋却したいと言うのでことなら県を通して上げてもらえばすぐ出来る」と、、、、おかしくは無いだろうか?
ここまで感染拡大をしていてる最中、大臣に直接、要望を出しているにもかかわらず、県を通さなければ出来ないと言う現実が
なぜ、そのばで大臣権限をもって国有林の提供にならないのか?

写真は今日より、掘削作業に入った現場の風景と、現在の父の経営する養豚場の風景です。
掘削風景の写真では、埋設する穴を見つめる父が写っております。その背中はやはり、どこか寂しげです。
養豚場の風景は、口蹄疫の症状がでて、立てなくなった母豚に寄り添う子豚が移っております。
写真に写っている子豚は、発症はしていません、ですがこれも殺処分対象なのです。
そんな風景を毎日みながら殺処分を待つ気持ちを少しでもご理解いただけたらと思います。

(4)より
父が最近言う言葉が「俺の仕事は、命を絶って命を繋ぐ仕事なんだ、だからその中でなら出荷して、と殺されるのは何とも思わないが、このように殺されるのは見るに堪えない」

(5)より
殺処分場所に、誘導し追い込む私と父、それを柵を持った自衛隊の方々が取り囲み、獣医よって殺処分される様、何と表現したらいいのでしょう、
上手く言葉が出てきません、悲惨です。

分娩畜舎から、授乳中の子豚をはなし連れてきた母豚を処分したとき、父は涙ながら声を荒げて叫びました、「子豚も一緒に今処分して一緒に埋めてくれ、かわいそうすぎる、引き離さないでいいだろう」と。
by hidaneko | 2010-05-20 22:40 | うきよ | Trackback | Comments(0)


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