朝8時過ぎに、M田先生が往診に来てくださった。
昨日、「土曜の午後から出張で、土日と留守にするのですが、朝、うかがいます」とおっしゃっていたのが、ご自身の医院の診療時間前にバーサンの様子を見に来てくださったのだ。
バーサンは朝の6時半から落としていた栄養剤が終り、薬を入れ、湯冷ましを入れている最中だった。先生はバーサンの様子を見て、血圧、体温、酸素を測り、聴診器をあて、浮腫の引いた様子を確認し
「落ち着いているようですが、何かあったら、いつでも電話くださいね。僕がいなくても、当番の先生がいますから」って。
毎日来てくださるM田先生に頭がさがる。
「先生がいてくださるので心強いです」とお伝えする。
こういう先生の支えがなくては、在宅で看取りはできないだろうな。
午前9時半前、訪問看護師さんが来てくださった。
本当は、今日は休みのはずなのに、昨日「痰を引くのだけでもお願いします」と頼んだのに応えてくださったのだ。バイタルを測り、痰の吸引をしてくださる。わたしもバーサンがK名病院に入院している時に習ったし、退院してきてからもだいぶ慣れたけど、気管支の奥までは無理なのだ。プロに一日一度、しっかり引いてもらうと、あとがやりやすい。肺をマッサージし、でやすくするテクニック、すごい。
わたしが介護するわきに、かならずモグちゃんがいて、手伝ってくれる。
朝の栄養剤を入れるところから、薬を溶いていれたり、器具を洗ったり。細かな気配りが嬉しい。「昼、何食べる? 夕御飯は何々にしようか」などと聞いて、近所のスーパーに買い物にいってくれる。その間、わたしは休むことが出来る。キッチンタイマーを33分33秒かけて、寝たりできる。
「父さんって、なんにもしないよね。今日は休みなんだから、夕御飯作ってください、って言おうか?」とモグが言ったけれど「こっちから言うと、命令されたとかへそ曲げるから、黙ってて」とわたし。
そのGサンが自分から「今日の夕御飯はオレが作るから」って言ってくれた! 午後、バーサンのおむつを替え、痰を引いて、安静に休ませて、つぎのおむつ替えまで3時間の時間がある。車で出掛けた。
街は昨日の雨にあらわれ、みどりが鮮やかだ。サツキの季節、あちこちの庭や街路樹に紅やピンク、白の花が咲き乱れている。陽光が明るくて、海は青くて、まぶしいくらい。
川を渡って、美味しい珈琲屋さんへ。この店が5月から禁煙になって嬉しい。本日のサービスの2種類のうち、軽い方を頼む(いつもなら濃い方を頼むのだけれど、なにしろ胃痛が…)。自家焙煎の美味しい豆を100g挽いてもらう。
帰り道、大型店に寄って下着を買う。ワコールトリンプウイング20%オフだっていうから。ゴムの伸びたパンツじゃ気合いが入らないからね。
急いで帰って、ジャストタイム。3時間弱の気晴らしの旅でした。
Gサンが作ってくれた夕御飯。豚キムチ(豚肉とキムチを炒めたもの)…。わたし、ふだんからキムチは食べないのに。昨日だって胃痛だって言ってるのに…。ほんっと家族のこと見てないのね、聞いてないのね、と思ったけど、あとでGサンが「作った後でおまえが胃痛だって言ってたのを思い出した」と言ってきたので、ゆるす。(笑)
みんながいるから、介護が出来る。
支えてくれるから、最期を看取れる。
ありがとう。
追記:
経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)を測るために、指にパチンとはめて測る測定器(パルスオキシメーター)をM田先生から借りていた。マッチ箱を二つ重ねたくらいの小さな黒い器具である。
昨夜、寝る前にバーサンの痰を引いて、効果をみようと(痰がとれて呼吸が楽になると目に見えて酸素の量が増えるんだ)測定器を探したけれど、ない。ベッドサイドに必要な道具を載せておくテーブルを置いてあるのだけれど、そこにない。落として、猫が転がして遊んだ?とも思って、床に這いつくばってさがす。バーサンの体の下になっているかも、と布団をはがして探す。ない。……深夜に青くなる。先生がせっかく貸してくださったのに、なくしただなんて、どうしよう…と、眠れない夜を過ごした。弁償すればいいじゃない? とも思いながら、変な夢ばかり見ていた。
今朝、往診に来た先生「これ、昨日、持って帰っちゃって」カバンから測定器を取り出し…。ああ! よかった。ほっとした。